市役所の1次面接から最終面接までの対策
私が合格した市役所の1次面接や最終面接で聞かれた質問、腕試しで受けた他の市役所で聞かれた質問を説明します。私は、元々人事部で勤務していましたので、模範回答や回答例も合わせて説明します。
公務員の面接では同じような質問ばかりされましたので、これで傾向と対策をつかむことができるかと思います。面接対策の切り札は、あらかじめ、聞かれることを把握しておくことです。
私の場合は個人面接ばかりでしたが、集団面接の場合でも聞かれる内容は同じです。集団面接というのは集団討論とは違います。
集団討論はn対nの関係ですが、集団面接は1対nの関係で自分がコミュニケーションするのは面接官のみです。他の受験生の言うことは無視して、面接官との対話に集中しましょう。
いずれにしても、しっかり、準備をして面接の雰囲気を想像しておくと緊張度合いも和らぎます。
新卒の公務員試験と共通の質問も多い
まず、一般的な質問です。上級・中級の面接でも、社会人からの転職の面接でも共通して聞かれることです。
質問 「昨日は近くに泊まったのですか?」
面接の一番初めに聞かれました。東京からはるばる里帰りで、しかも面接の集合時間も9時に集合でしたので聞かれたのだと思います。特段意味合いはなく、いわるゆアイスブレイク、緊張ほぐしの定型の質問です。
市内に宿泊していましたので、「はい。○○の辺りに宿泊しました。」と答えました。この質問で、特段ポイントがアップすることも、ダウンすることもありません。
私が東京に住んでいることは分かっているのだから、面接の順番を1番目ではなく、昼くらいにしてほしかったとは思ったのが本音でしたが、話がややこしくなると嫌なのでグッと飲み込みました。
ただのアイスブレイクですので(笑)。これは、民間経験者だけではなく、公務員の面接全般で用いられる手法です。和やかな雰囲気を作り出しておけば、面接がスムーズに進みます。
面接官も人間ですので、よい雰囲気の方がよい評価が付きやすいのだろうなとは思います。
余談ですが、私が採用担当時代に大学生相手に面接官をしていたときには、「昨日はよく眠れましたか?」でアイスブレイクしていました。
質問 「公務員は安定していると思いますか?」
これも公務員全般に当てはまる質問です。常識的には安定していると思うのですが、夕張市役所が破綻したという事例もありました。
私の会社は財務的には優良企業でしたので、今の会社が倒産する心配は当面ないことと、むしろ、市役所の方が借金が多くて、今後、安泰だとは思っていないことを伝えました。
しっかり準備をしてきてくださいね
日本の会社は、財務的には優良=労働環境がよい、というわけではありません。公務員の面接官の職員はあまりそのことを理解していないようでした。
「安定を望むなら、今の会社にいる方が安定していますが、○○市役所で○○の仕事をしたいと思い転職を希望しました。」と答えたと思います。面接官の方は、ちょっと予想外の答えだったようで、感心されました。
面接官は、市役所は財政が悪く、財政改革や行政改革に汗を流していますので、公務員は一生安泰で、安定していると思われたくないのです。
私は今の自分の会社と、自分の仕事にプライドを持ってるという前提で話をしました。面接試験にはスーツの襟に会社の社章も付けて行きました。おたくの市役所よりも、むしろ、私の今の会社の方が優良企業ですよという趣旨のことを言いました。
ただし、嫌味な言い方にならないようにだけ気を付けました。
質問 「どのような部署に配属を希望しますか?」
大卒の面接試験でも、社会人の面接試験でも聞かれる質問です。
私は社会人経験者として、この質問にどう答えてよいか迷いました。「今の経験を生かして、人事部に行きたいです。」と言ったとしても、通常、人事異動では希望がとおることの方が珍しいからです。
また、人事部というのは一般的に純血主義を貫いていますので、中途採用の転職者をいきなり受け入れることはないことも知っていました。
私の答えとしては、スタッフ部門で生きていくためには、経理部門を経験しておきたいことなど、これからのキャリアプランを説明しました。
私の場合、30歳で転職しました。この場合、これまでの20歳代の職務経験だけを頼りに、今後の公務員人生を乗り切っていけるわけがないからです。
大学生の場合、職場の仕組みというものがなかなか理解しにくいと思います。市役所や区役所の部署の構成や、重要業務、課題などを把握することはできません。
その状況で、希望の部署や仕事を回答するには難しくなります。インターネットで仕入れた薄い知識に基づいて受け答えをすることになってしまいます。
そこで発想の転換です。薄い知識で薄い回答をするのではなく、今後のキャリアのステップアッププランを語るのです。
上級試験の面接であっても、民間経験者の面接であっても、初っ端に何部に配属を希望するのかという質問ではなく、これは今後のキャリアプランの質問なのです。
「○○の部署に行って、○○の仕事がしたい!」というだけの薄っぺらい回答ではなく、キャリアについてどう考えているのかを問われているのです。
回答の良し悪しで評価に大きく影響する質問です。事前にしっかり人生プランやキャリアプランを考えておく必要があります。
全ての面接で、一切聞かれなかった質問もある
質問 「大学生時代のこと」
学生時代のサークル活動や、大学の専攻に関する質問など、大学生のときのエピソードについては、どこの市でも一切質問されませんでした。
民間経験者採用はキャリア採用ですので、決め手は「今の会社で何をしてきたか」です。学生時代のことには興味はないのです。当然のことだと思います。
質問 「家族のこと」
家族構成や、お父さんも公務員をしているのかなど、職業を問われる質問はされませんでした。家族に関する質問は労働基準監督署からの通達で禁止されているので当然のことです。
そもそも結婚しているのか独身なのかについても、私は質問されませんでした。しかし、女性の同期職員は、既婚かどうか、出産の意思はあるのかどうかについて質問されたそうです。
女性は、出産の際、出産休暇や育児休業を取らざるを得ないです。30歳前後の適齢期の女性は転職の歳には不利になります。採用後、1年や2年でいきなり育休を取るようなことがあると、人事部が職場から批判されてしまうのです。
育休を取らざるを得ないというよりも、本音は喜んで取得する方が大半です。採用する側にしたら合格を出しにくいのです。
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