出先機関の残業


残業とはただ待機すること

月に数回、皆でそろって残業をする日が必ずあります。残業するほど仕事はないのですが、残業する日はあるのです。正に謎です。

事務所の係員は給料に執着する人が結構います。普段は残業がないので、元々の手取りはそんなに多くありません。

私は本庁で死ぬほど残業してきたので、早く帰って家族と過ごしたいのですが、係長だけ帰るわけには行きません。最後に鍵を掛けるという大役があります(笑)。

残業と言っても、「雷警報が出ているので念のため待機する」などというこじつけの残業です。特段、何か仕事や作業があるわけではありません。ただただ待機するのです。残業すること山の如し。

「残業=待機」という構図ですので、非常に楽チンです。本庁で寿命を削って深夜まで残業していたしんどさとは違って、これで超過勤務手当がもらえるのかと驚きました。

そして、待機が終わる10分前には既に業務服から私服に着替えてしまって、終わる時間待ちの状態になります。

と言っても、待たれていても残業は残業です。早く帰らせることはできないので、所定の時間になるまでお預け状態です。

係長の中には、早く帰らせてあげる係長もいるようで、係員からしたら、時間を守る係長は頭が固いと不評です。

並び替えを残業で

ある日、事務所で管理している書類を並び替える必要が出てきました。処理した日付順で並んでいる書類を、市民のコード順に並び替えたほうが、今後の仕事がしやすいという、よくある話です。

とても良いことでしたので、早速、皆で始めたいところだったのですが、ベテランの係員から待ったが掛かりました。そう、ベテラン職員は、係長の指示に待ったを掛けることができるのです。

曰く、「昼間は通常の業務をしなくてはいけないから、日にちを決めて、皆で残業して並べ替えよう」と。

「は?」と一瞬、目が点になるような発言が飛び出しました。今までスマホでゲームをしていた口がこれを言うのです。何の恥ずかしさも感じないのかと。

職場で揉め倒しても仕方がないので、私は係長として、その提案を受け入れて、皆で残業をして並び替えました。

係員の残業代に対する嗅覚と執念は凄まじいものがあります。ここで対応を誤っては、今後、仕事が回らなくなるのです。

朝、現場に行かず残業

事務所の係員のお金に対する執着心は目を見張るものがあります。現場回りが主な仕事なのですが、「今日は件数が少ない」とか言って、なかなか現場に出発しない人もいます。

8時30分に勤務開始で、真面目な係員はすぐに出発しているのに、ダメな係員は9時30分くらいまではダラダラしています。

本当に現場の件数が少なくてすぐに終わるのだったら、早く行こうがゆっくり行こうがどちらでも結構なのですが、勤務時間中も続々と当日の案件が舞い込んでくるのです。

普通の係員は、当たり前のこととして、朝一で抱えている案件が午前中のうちに終わらして、午後からは追加の案件に備えるのです。

しかし、ダメなお金だけに執着している係員は、そのことをしっかり理解したうえで、追加の分を定時以降の残業にまわすのです。

追加の仕事が舞い込んできたのでいいよね?みたいな感じです。

事務所の係員でも、一応、公務員です。頭だけはいいのですから、わざとやっていることです。お金のために。

ここで、係長として注意しますと必ず揉めます。「係長が仕事をするなって言った」などと労働組合に掛け合いに行きます。面倒くさい。ホント、頭がいかれています。

パン、おやつ

係員さんが残業する日には、係長がパンとおやつを買ってあげるしきたりがあります。そう、「係員さん」という呼び方から分かるように、係長より係員が偉いと自覚している人達なのです。

たかだか2時間か3時間の残業で、腹が減ったも何もないと思うのですが、そういうシステムなのです。係長が係員に、「今日は残業お願いします」とパンとおやつを差し出すのです。

特段、残業するような仕事もないのですが、係員が組合活動によって勝ち取った残業代、つまり、お金なのです。特段、お願いすることもないのですが、そういう風習になっています。

本庁では、2時間やそこらの残業は毎日で、腹が減ったら、自分でコンビニに行って買ってきます。これが世の中の常識ですが、出先機関の公務員にはこの常識が通用しないのです。

人の残業に文句を言う

事務所では係員の仕事のキャパシティーがあまりにも狭いため、何から何まで係長が面倒を見ることになります。

コピー機のトナーが切れただの、蛍光灯が点滅しているだの、いちいち係長に言ってきます。気が付いた係員が自分で何とかしてくれたらいいのですが、そこまでできる人達ではないのです。

そして雑用をこなしながら、係長としての自分の仕事をしていますと、なかなか定時には終わりません。何人か係長は居ますが、皆同じような状況になります。

そして1時間、2時間なりと残業をすることになるのですが、残業に対する係員の捉え方が独特なのです。

出先機関の事務所の係員はしんどい残業を経験してきていませんので、「残業=金」という図式しかありません。残業はしんどいということが理解できないのです。

「あいつら係長だけでまた残業して稼いでるわ」なとど、陰に陽に陰口をたたかれながら、係員のやり残した残務を片付けることになるわけです。

人は人、自分は自分、と考えればいいだけのことができないのです。私の考えでは、自分の仕事が早く終わって早く帰った時に、他人が残業しているのを見ると、気の毒だと思います。

それが真逆で、人の残業にケチを付けるような文化が公務員の出先機関にはあるのです。

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