幸せな転職


東京での生活

私は関西出身で、大学も関西地方でした。

就職氷河期に大学を卒業し、東証1部上場の有名企業に就職し、東京暮らしを開始しました。総合職ですので、全国転勤ありの職種でしたが、6年間、ずっと東京の本社勤務でした。

会社の人から見れば、東京の本社勤務はホームという共通認識でしたが、私としてはアウェーでした。

1部上場企業では人事部でしたので、採用する側としてのノウハウがありました。ですので、いざ、自分が転職するに当たって安心感もありました。

30歳で地元の地方公務員(市役所)に転職したわけですが、私が地方公務員を目指した理由は、「転勤がない」、「通勤時間が短い」の2点でした。

転勤族では、持ち家の購入も難しいです。購入した場合、その後、単身赴任の生活になります。私の会社では従業員の約1割が単身赴任生活でした。

かと言って、家族で引っ越しする場合、子供ができた場合、かわいそうで不安でした。

市役所に転職した今では、市内に自宅を購入して、通勤時間はドアtoドアで30分程度です。東京と違って、通勤時間の短さが魅力です。

真のワーク・ライフ・バランス

ワーク・ライフ・バランスとは、会社人間にならず、家庭での生活も大切にしましょうという考えです。10年くらい前からある言葉ですが、日本の企業風土に合わず掛け声倒れになっています。

最近のイクメンブームの中、再度提唱されているのが、「真のワーク・ライフ・バランス」です。男性も育児や地域生活に関わりましょうという考え方で、時節柄、多少浸透してきました。

私の市役所では、男性でも1箇月から3箇月ほど育児休業を取得する職員がおり、民間企業とくらべて、仕事一辺倒という意識は低いです。

そういう理想を持っている方は市役所へ転職した方がいいと思います。

若い頃は転職そのものに意義がある

ビジネスパーソンにとって、30歳という年齢は1つの人生の転機のように感じるものです。そして、新卒入社の会社での実務経験が5年を超え、社内外を問わず自分が周囲の人達から一人前として扱われてくると、自分の実力が違うフィールドでの通用するのかを確かめてみたくなるものです。

私は基本的に転職には好意的です。

ただ、転職は一度経験してしまうと癖になるものですから、例えば一年ごとに転職を繰り返すような方は、30歳を過ぎる頃になると、年齢の割には実務経験が備わっていないという評価を受けることも多々あります。

そのような危険はありますが、私は転職というものは、転職すること自体に意義があると考えています。

転職時のエピソード

転職の一番良いところは、それまで常識だと思っていたことが、実は非常識だったことに気付くことです。28歳の時に最初の転職を経験した方の話しです。この方は新卒で入社した会社に5年間在籍した後でした。

2社目の会社に入社した日の夜に、あることに関して、これまでの自分は間違っていたことに気付かされました。というのは、入社当日に同世代の4人の同僚から誘われて居酒屋に飲みに行ったのですが、酒席の場で会社や上司の悪口を聞かされたのです。

仕事が終わった後に、酒を飲みながら会社や上司の悪口を言うことは誰もが経験していることですが、この方は、入社初日で社内の人間関係など全く知らない自分に、会社や上司の悪いところを説明してくれる同世代の同僚がとても哀れに見えたそうです。

そして、「仕事の後で酒を飲みながら愚痴を言うこと」は何と愚かなことだろうと、初めて分かったのでした。

この方も新卒で入社した会社では、仕事の後の飲み会で散々上司の悪口を言ったそうです。当然のことのように、全く気を咎めることなく悪口を言いまくっていたらしいのですが、転職した会社で、以前の自分と同じことをしている同僚を目にして、「俺もこういう感じで会社や上司の悪口を言っていたよな。」と思い返していたそうです。

新卒入社の会社で教わったことが全てではない

転職の良いところは、それまで常識だと思ってきたことが、実は常識ではなかったということに気付かされることです。

ビジネスパーソンは、新卒で入社した会社のやり方が正しいのだと思い込んでしまう傾向があります。経費の精算の仕方や書類の書き方、名刺の受け取り方や電話の受け方、さらには、上司を肩書きで呼ぶのか苗字で呼ぶのかなど、新卒入社の職場の慣例が身に付いてしまい、職場を移った後も前の会社のやり方から抜け出せないことがあります。

もちろん、前の会社のやり方が優れていると思えば、前の会社のやり方を続けていくのも良いでしょう。大切なことは、世間には色々な常識があることを認識することです。

様々な常識に触れることは、自分の頭を柔軟にすると同時に、自分とは違うやり方をする他人を許せるようになってきます。このことが人間性を広げていくのです。

私は、若い頃の転職は、転職すること自体に意義があると思っています。

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