団体職員へ転職するという選択肢を考える
団体職員は公務員と似た労働環境ですが、転職活動の方法は大きく異なります。
団体職員とは社団法人や公益法人のことであり、みなし公務員や準公務員とも呼ばれている職種です。アンケートの職業欄で「団体職員」という選択肢を見たことがある人も多いかと思います。
団体職員というと、世間ではやや謎の集団というイメージです。転職先の候補に考えている人はあまり多くありません。
しかし、この団体職員ですが、全国の色々な職場で中途採用が行われています。実際に、大手転職サイトのリクナビNEXTでは、様々な団体職員の求人が出ています。
ある団体の求人が締め切られても別の団体が求人を出すというように、順繰りに様々な求人が掲出されます。興味がある人は、リクナビNEXTに登録して、団体職員の勤務地や年収の例をチェックするとイメージがわくと思います。
公務員への転職の最大の特徴は、公務員試験という筆記試験を突破する必要があることです。受験機会を公平に確保するためです。
一方、団体職員の転職試験は、普通の民間企業と同じで、職務経歴書の提出と面接だけのケースが多いのです。
筆記試験の勉強が無理で市役所への転職を諦めた人も多いかと思います。その場合、民間企業よりも団体職員に狙いを絞って転職活動をする方法があります。
ここでは、団体職員への転職・再就職のための準備に関して、何をいつまでにどれぐらいするのかを示しておきたいと思います。試験勉強をする必要がありませんので、時間的には余裕があります。
多くの転職・再就職を希望される方は、「今の環境から脱したい」、「もっとキャリアを上げたい」、「もっと給与をもらいたい」、「もっと休みが欲しい」、「生きがいのある職に就きたい」等、様々な理由(本心)があるかと思います。
しかし、何の準備もなしに徒手空拳で転職や再就職に望むことは、武器を持たずに狩りをするのと同じです。上手くすれば小さなものは捕れるかもしれませんが、決して大物を捕らえることはできません。
転職時期・再就職時期は、希望退職や退職勧奨など期限付きの場合を除いて自由です。自分自身で決められるが故に、ある程度のスケジュール感をもって準備するべきです。
団体職員への転職のスケジュールについて、モデルで示したいと思います。
転職する6箇月前
基本的に、今までのキャリアプランの振り返りも含めて6箇月スパンで準備をすれば無理なく進められます。
まず、6箇月前というのは、自分自身の進路を見極める時期になります。まだ、転職先を具体的に絞り込む必要はありません。
できるだけ早い時期に転職サイト「リクナビNEXT」に登録して、冷やかしでもいいので、団体職員の求人をチェックしてみることです。ウィンドウショッピングのように眺めてイメージを膨らませましょう。
主な転職サイトとしては、「リクナビNEXT」「マイナビ」「ジョブセンス」などがあり、この他にも多くのサイトが存在します。
転職サイト登録での注意点としましては、あまり数多くのサイトに登録すると募集企業が重複する可能性があります。これは、募集団体側が複数の転職サイトに依頼しているケースがあるからです。
世間の転職体験記のサイトでは、できるだけ多くの転職サイトを勧めているものも散見されます。しかし、それは間違いで、1つの転職サイトだけに登録をして集中して情報収集を行うことが得策です。
私はリクナビNEXTでの転職活動をおすすめします。やはり日本最大級というのが魅力ですし、団体職員の求人が豊富です。1社だけ選んで登録するのであれば、明らかにリクナビNEXTです。
社団法人などの団体職員は、様々な団体が1年を通じてリクナビNEXTで求人を行っています。「公務員・団体職員」というカテゴリーで検索でき、勤務地や年収など、詳細な条件を見ることができます。
リクナビNEXTの登録は簡単です。
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これだけです。勧誘の電話が掛かってくることもありませんし、ダイレクトメールが来ることもありません。団体職員への転職活動では、まずは勤務条件や仕事の内容を確認してみる行動力が必要になります。
また、この時期は、本当にやりたいことを積極的に考えてまとめる時期です。また、なぜ今のままではダメなのかを、あらゆる観点から検討することが必要です。
今の職場で我慢できることとできないこと、将来自分の望む姿が得られるかどうか、またこれらの確率もおおよそ頭の中に描いておくことが必要です。
例えば、今の会社での自身の目標が達成できる確率が3年後、5年後、10年後、20年後、そして退職後の人生と順に見ていくことが大切です。
ここでは、他人の意見は不要です。自分でどう思うか、自身でどう進みたいのかを見つめる時期なのです。
転職する3箇月前
3箇月前というのは、自身の進路希望や進みたい環境をより「身近に」するための準備の期間です。
望む業種・業界、企業ごとに必要とされるような、あるいは身につけておくことで採用時、入社後に役立つと考えられるスキルや知識を身に付ける期間です。
例えば、生活支援を展開する職種を望むのであれば心理学系の簡単なスクールや通信教育を受けておくことです。
営業志望であれば、コミュニケーション能力やマーケティング能力を身につけるための通信教育、セミナー、各種講座を受けておくことになります。
特にエンジニア系の団体職員に転職を希望する方の場合は、より高度な技術知識を学んでおくことが有利に働きます。
公務員試験がない代わりに、このような資格や技術を取得しておく姿勢が重要になります。この期間はあくまでも目安ですので、自分自身の現在の状況や労働環境に合わせて実施してください。
転職する1箇月前
さて、いよいよ具体的な転職先の団体職員の選定になります。転職サイトでいろいろな登録をしていきます。事前に履歴書と職務経歴書などの準備を済ませておくことになります。
過去に転職経験がある人は既に経験済みでしょうが、再度自身の履歴・経歴を見直して原本の作成に時間を費やしてください。転職サイトに登録する際は、この履歴書、職務経歴書を原本に写し込む形で登録作業を行うのが一般的です。
準備を終えて目的とする団体職員に応募することになります。転職サイトから応募します。その段階で書類審査に入ったと考えてください。
次に、多くの場合、人事担当者からメールで返信がきますので、読み落としたり、間違ってゴミ箱に捨てないようにしてください。この時、面接の候補日程や時間の指定がありますので、丁寧な語調で返信しましょう。
また、一方では、「募集定員に達しました。」「書類審査の結果、今回は残念ながら・・・。」という文書やメールが届いた場合にも、同じように丁寧な返信をしておくことが、社会人としてのマナーとなります。
文例を示しますと、「この度は、私にとりまして誠に残念な結果になってしまいましたが、私の力不足もあり、御担当者様には貴重な時間をいただきありがとうございました。貴社の今後の益々のご発展をお祈り申し上げております。」などの簡潔な文が良いでしょう。
現在では、ほとんどが転職サイトに記入した履歴書、職務経歴書で書類選考は判断され、面接段階に進むことは書類選考がパスしたことになります。
面接前に注意すべき点としては、日程、時間設定など余裕をもってスケジューリングすることです。
基本的なことですが、多くの企業へ応募し、多数の面接を行うと、ダブルブッキング等のミスを犯しがちですので十分気をつけてください。現職中の方は現職での仕事との兼ね合いも重要になります。
「もうすでに会社を辞めると決めているので適当に休む。」という考えでは、今の仕事に何らかの不具合が発生してしまい、転職活動に支障が出るケースがあります。
できる限り現職に支障のない範囲でスケジューリングすることが大切です。
まずはリクナビNEXTに登録してみる
以上が、団体職員への転職する場合のスケジュールです。団体職員への転職を目指すなら、このように長いスパンで着実に取り組む必要があります。
まずは、リクナビNEXTに登録して、みなし公務員や準公務員である団体職員の求人をチェックしてみることをおすすめします。
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