社会人採用の面接で必ず聞かれること
社会人の面接で聞かれることは、「自己PR」と「志望動機」の2点が主軸になります。これについては、新卒の上級職と同じです。
また、民間経験者採用では面接は2回あることがほとんどです。3回以上ある市役所もあります。
筆記試験よりも、今までの職務経験や人物像を重視しているためです。面接回数は多いのですが、手を変え品を変え必ず聞かれることのうち、重要なのは結局、自己PRと志望動機なのです。
これらは聞かれることが分かっている質問ですので、しっかり、準備をして模範回答を作成しておく必要があります。
自己PRのアピールの正しい仕方
自己PRの方法ですが、簡単です。民間経験者試験ですので、今の会社での仕事の実績をPRすることが重要です。既に、論文試験の段階で、職務経験論文を作成していたはずです。
論文で書いた内容と同じことを言えばよいのです。内容を変える必要はありません。論文は、職務経験を市役所の業務にどのように活かせるのかという観点で作成しているはずです。
同じことを、簡潔に口頭で説明するだけです。あくまで面接は、面接官との対話ですので、一方的に話しきる必要はありませんが、トータルとして、職務の実績を説明できれば、それが自己PRになります。
市役所の人事担当者は、「誠実だ」とか、「コツコツと頑張るタイプだ」とか、そういったPRを求めているのではありません。大卒の上級職の採用でしたら、まあそれでもありかと思いますが、あくまで民間経験者試験ですので、そこについてPRするべきです。
どういう職務だったのか、そして、どういう結果を残したのかが重要です。市役所の仕事にどうのようにつながるのかも理論的に説明できるとベストです。
私の場合は、自分の職務経験論文の文書を抜粋して、自己PRを作成しました。気を付けるべきことは、論文の内容と口頭で話す内容に齟齬がないようにすることです。
ほとんどの方は履歴書に記載される程度の内容は間違うことはありません。しかし、職務経験論文に記載されている内容を間違うことがよくあります。
例えば、Aという職務を3年、Bという職務をその後2年行った場合に、AとBの逆転、2年を3年と間違うなど細かなことですが、こうした齟齬は面接担当者によってチェックされるので注意すべき内容です。
論文試験の段階で書き間違えることがないように、事前に論文の内容をしっかり準備しておくことにもつながってきます。論文でどういう風に書いたのか分からなくなるなどは論外です。
志望動機のアピールの正しい仕方
志望動機も必ず聞かれるポイントです。当たり前のことですが、休みが多く取れそうとか、転勤がない、安定しているなどの理由は志望動機とは言えません。
それらは転職を目指した実際の理由かもしれませんが、志望動機というのは、こういう仕事がしたい!という観点のみから考えます。
具体的には、市役所に入庁したらどのような部署でどのような仕事をしたいかを回答します。ここでも、あくまで民間経験者試験ですので、今の会社の経験を踏まえて、その経験を活かせる志望動機を考えることができればベストです。
私の場合は、会社の遊休地を売却してキャッシュフローに貢献した経験を引き合いに出しました。
つまり、会社の重役、従業員、地元住民の利害を整理した遊休地を処分した経験を活かして、市役所の仕事でも、納得してもらえるまで粘り強く住民に説明責任をし尽くして、地方自治を推進していきたいということを志望動機としました。
自己PRと同様に、論文試験で作成した職務経験論文から志望動機も引っ張り出してきました。当たり前ですが、面接官は論文に全て目を通してきています。論文との一貫性があれば、説得力が増すのです。
一方で、30歳代で転職する場合、会社での経験は、まだ、1~2部署のみだと思います。今の経験だけにこだわってしまっては、今後のキャリアアップにつながらないという事情もあります。
そこでもう1つ重要なポイントは、今後の自分のキャリアアップの展望も語ることです。
私は、今の会社では経験したことがないですが、今後、経理部門で組織の財務状況を理解するスキルを身に付けて、事務方としてのスキルアップに努めたいと希望を伝えました。アカウンティングのスキルは重要と考えていることを伝えました。
公務員試験では会社への不満を言ってはいけない
合格した際には、今の会社を辞めることになりますが、今の会社への不満を言わないように気をつけました。転職しようというくらいですので、私も会社には多々不満がありました。というか嫌いでした(笑)。
しかし、「現在、○○株式会社で働いていることを誇りに感じています。しかし、この市役所で働きたいという気持ちの方が強く、転職できる時期は若い今しかないと思い受験しました。」と言いました。このスタンスはすごく重要です。
今の会社ではノルマが厳しいとか、深夜残業が多いとかという会社の悪口を辞める理由にしてしまうことは良くありません。
正直にいって、市役所にも部署によってそのような所属があります。例えば、市税の滞納整理の仕事でしたら厳しいノルマはありますし、本庁の総務局や保健福祉局でしたら、深夜残業は当たり前です。
採用する側にとって一番困ることは、仕事を辞められることです。要するに、市役所に転職後、同じ状況になったときに、今後は辞めないと思わせる理由が必要です。
私の場合、地元の市役所のために働きたいという純粋な思いが強くありましたので、その思いを熱心に伝えました。
面接での話し方のコツ・心構え
重要なことは、言い古されていることですが、自分の性格や口調、姿勢、態度を自覚しておくことにより、行き過ぎない熱意、心底から出ていると判断できる誠意、信頼に足る忠誠心が感じられるよう演じることにあります。
このことは、自身の持つ業務における経歴、スキル、ノウハウ、知識が応募職種に対して十分満たしているという自信を背景にしたものである必要があります。
面接本番では、面接担当者はできる限り素のままの応募者を見たいものです。素のままの応募者が募集職に就いて市役所に貢献できるかどうかを見るのです。
面接担当者も神様ではありませんし、熟練者ばかりではありません。未熟で新卒を扱うような態度、口の利き方が非常に悪い担当者も中にはいます。また、転職者を募集している市役所の人事系担当者とは思えないような人材もいます。
こうしたことを十分肝に銘じながら面接に臨むことになります。ここで、注意するべき点をいくつか挙げておきます。
熱からず、冷たからずを徹底すること
新卒採用の上級職とは異なり、即戦力を求めている市役所の募集に対する応募になることですから、熱意や気持ちに焦点を当てて大げさに示す必要はありません。持っている能力がいかに市役所の課題解決に貢献できるかということを理路整然と予測も入れて冷静に話します。
しかし、声が余りに元気がない、覇気がない、人の目を見て喋らない等の冷えた感じで見られるのもマイナスポイントになりますので、注意したいです。
このことは、一部の専門職やエンジニア系の職種を除き、コミュニケーションが豊かであるかどうかを見られるので、一方的に熱い人間は浮いてしまうし、冷め切った人間はみんなの足を引っ張りかねないと判断されてしまいます。
語りすぎない、また、無口にならないこと
これは、コミュニケーション能力に関わることですが、適度に面接担当者との会話を楽しむつもりで、面接することが大切です。
自分を理解して欲しいがために、一方的に自分の長所を語り尽くす人がいますが、面接担当者にとっては、不必要な情報ばかりになってしまいます。語りすぎないことが大切です。
一方では、相手の質問に対して極端に短い回答しか返さない応募者もよくいます。
例えば、面接担当者から「あなたは市役所でどのように貢献できると思いますか?」という質問があった場合、「とにかく頑張って貢献していきます。」とか「今までの経験とスキルで貢献できると思います。」といったように短文で返答してしまう人がいます。
これでは、面接担当者が応募者がどのように思っているのかがほとんど分からないままになってしまう場合が多く、質問を継がなければ聞けない状態になります。
こういうことは面接で注意したいポイントです。
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