勉強のために会社を辞めてはいけない
社会人採用の公務員試験を受けようと決心した場合、会社を辞めて試験勉強に集中してはいけません。ほぼ、間違いなく失敗します。
あくまで試験ですので、合格するのか失敗するのか、決まってはいません。落ちた場合に、路頭に迷ってしまい人生がほぼ終わるので、おススメしません。
さらに、そういう理由だけではなく、公務員試験にとってもマイナスになります。経験者採用試験に合格している人はほぼ全員が現職に勤務したまま合格しています。
市役所の人事担当側から見た場合、危機管理能力に欠ける人を雇おうとは思いません。さらに、よっぽど今の会社から逃げ出したかったのかという悪印象になってしまい、面接の際にも不利になってしまいます。
私の転職組の同期は、全員、会社に勤めながら民間経験者試験を受験して、合格しています。無職で勉強したという人はいませんでした。これが実情です。
新卒の公務員試験とは異なり、経験者採用試験は筆記試験の比重が少なく、問題も簡単です。数的推理や文章理解を中心に出題され、憲法や地方公務員法などの法律の知識を問う問題はほとんど出題されません。
民間会社での転職活動と同じように、面接の比重が大きく、2回~3回の面接試験を経て合格者が決まります。
1次面接、2次面接と、何回も面接に呼ばれるわけですが、交通費は全て自己負担ですので、遠方の市役所を受験しようとする場合、お金が掛かる覚悟は必要です。まあ、普通のサラリーマンの金銭感覚なら問題ないでしょうけど(笑)。
社会人採用の情報の探し方
全国の市町村はそれぞれ同業他社ですので、採用試験は独立して実施されます。実施日もまちまちです。
試験情報を一覧にまとめている公的なホームページやサイトは存在しません。正確に調べるには、それぞれの市町村のホームページから「採用情報」のページを探し、チェックする他に方法はありません。
神戸市に応募したいなら、神戸市役所のホームページをチェックするしかありません。募集の時期になれば、採用情報のページがアップされます。
通常は、昨年の採用実績のページがありますので、それを見ると、過去の募集の時期を知ることができます。神戸市役所の場合も職員採用のページがあり、昨年度の実績や今年度の変更点などを確認できます。
また、筆記試験や論文試験の過去問を掲載している市役所もありますので、本命の市役所を早めにチェックするとよいと思います。
採用情報はトップページのサイドバーから直リンクしてある場合が結構あります。また、なければ、「各課のページ」から人事課(市町村によっては、人事委員会事務局や任用課など)のページを探せば見つかります。
勉強を始める前に考えること
筆記試験、論文、面接試験の準備で勉強をするのは当然ですが、それだけでは不十分です。まずは、その市役所の情報収集をすることが大事です。
市役所の公式ホームページでだいたいの情報は得られますので、それを基に自分の考えを整理して、なぜその市役所で働きたいのか、どういう仕事がしたいのかを具体的にイメージするといいと思います。
こういう愛着の積み重ねがあると、長い試験対策を乗り越えられますし、面接対策にも活きてくると思います。
いつから公務員転職を意識していたのか
私がいつから転職を意識していたのかと言いますと、前の会社に入社して数箇月目には意識していました。滅私奉公の社風が合わず、一生、この会社に勤めることはあり得ないと思っていました。
そこで、さっそく転職の情報収集に入ったわけですが、すぐには辞めずに、気長に構えていました。これがよかったのだと思います。
まずは、超氷河期時代に私を拾ってくれて、しかも第1希望していた人事部に配属してもらえたことを感謝しつつ、仕事に打ち込みました。この会社で実績を積み重ねたことが、結果的には満足な公務員転職につながったのだと思います。
地元の市役所に転職の狙いを定めた経過としましては、ある程度公務員には関心がありましたので、受験ジャーナルなどの情報誌を見ていたところ、たまたま民間経験者採用というものを知ったという感じです。
私は、まだ入社1年目でしたので、しばらくはこのまま頑張ろうと思い、転職の要件である民間での5年以上という条件を満たしました。転職の思いを抱えたまま5年勤務し続けるのは結構な根気が必要でした。
就職氷河期世代や失われた世代の方は、優秀な方でも不遇な職業生活を送っている方が多くいると思います。優秀な方で、やっと、バブル世代の普通レベルと同じ労働環境だと思います。
しかし、諦める必要はありません。その優秀さを活かして、公務員に転職してしまえばよいのです。
いつから公務員試験対策の勉強をするのか
サラリーマンをしていますと、勉強時間はなかなか確保できません。毎日残業続きです。地方公務員になるにはいつから勉強したらよいかについてです。
私は実際に試験を受けるに当たって勉強した期間は3箇月でした。1年目は、この準備で数箇所の市役所を受験し、全滅しました。まあ、焦って転職することもない、1年目は様子見だと構えていました。
あまりに長期間、勉強ばかりしていますと疲れてしまいます。社会人採用の数箇月前だけ集中して勉強して、落ちたらしばらく休むの繰り返しがちょうどよいのです。
そして私としては本番の2年目です。同じく、勉強期間は3箇月だけでした。しかし、出題傾向や面接での雰囲気も分かっていましたので、効率よく準備できたと思います。
3箇月というのは、筆記試験までの3箇月間という意味です。1日30分で、90日間です。そのうち、休日は面接や論文対策でしたので、実質70日間です。勉強時間は35時間程度という計算です。
私はこれを何回か繰り返しましたので、トータルの試験対策の時間は50時間~100時間くらい費やしたと思います。筆記試験が終わってからは、面接対策として、今の会社での実績など、自己PRの練習をしていました。
1次試験である筆記試験は6月にあり、1回目の面接は7月、2回目の最終面接は8月のお盆の時期でした。8月の終わりに最終合格の通知が来ました。
採用は翌年4月ですので、その間、もはや前の会社ではいつでも辞められるというウキウキ感でいっぱいでした(笑)。
シェアする