第二新卒で受けるべきか、5年間我慢するべきか
民間企業に就職したばかりなのに、やっぱり公務員になりたい・・・と思うことがあります。公務員の民間経験者採用は、社会人経験が5年以上とされているものが多いので悩みます。
20代の若者の場合、新卒の上級試験の年齢制限もクリアしていますので、早めに辞めてしまって上級試験を受験するのか、今の会社で5年間我慢して社会人試験を受験するのか迷うことになります。
結論から言いますと、公務員試験に向けて特別な受験勉強をしてこなかった人は、5年間待ってから社会人枠で受験する方が得策です。私もこのケースでした。
逆に、公務員予備校にも通っていてしっかり勉強してきた経験のある方は、早めに辞めてしまって、上級試験に挑戦することも選択肢の1つです。しかし、あくまで選択肢というだけで、リスキーではあります。
勉強経験がない人は社会人採用が有利
今まで、公務員予備校に通った経験もなく、勉強もしてこなかった人は社会人採用で挑戦するべきです。
市役所の上級試験というのは、予備校に1年間通って勉強するくらいの勉強量です。学生時代にそれをせず民間会社に就職してしまっている状況は、かなり出遅れた状態です。
今更、仕事を辞めて独学で勉強したり、予備校に通いだしたりしても、なかなか追いつけません。運よく勉強時間を確保できて筆記試験に合格したとしても、面接に受ける保証もありません。今の仕事を続けるべきです。
就職活動にもマリッジブルーのようなものがあり、一生懸命に就活をして勝ち取った内定なのに、いざ就職するとなると、やっぱり公務員の方がよかったかなとなることは確かにあります。
私もそうでした。しかし、私は5年間我慢しました。公務員試験の勉強をした経験がなかったからです。試験勉強をしてこなかった人にとっては、今の会社でしっかり経験を積んでから転職する方が有利です。
新卒時に公務員試験に落ちた人は勉強面で有利
新卒での就職活動時に公務員試験を目指す人は数多くいます。そして夢破れて不合格になり、しぶしぶ民間会社に就職する人も毎年大量に発生しています。
5年間民間企業で働いた後、再び市役所に挑戦する人も一定数います。そういう人にとっては、民間企業へ転職するよりも市役所へ転職する方がかなり簡単になります。
まず、公務員試験の仕組みについてよく知っているので、情報収集が早いです。公務員試験に無縁だった人にとっては、どうすれば公務員になれるのかは未知の世界です。仕事に忙殺されて、知らないまま過ごすことが多いです。
次に、試験に落ちたと言っても、新卒時の上級試験で、一旦勉強をしていますので、かなり有利です。
5年前の知識などほぼ忘れていると思うでしょうが、ゼロから勉強をする人と比べて、かなり有利なのです。一般人は勉強の仕方から学ばないといけません。
さらに、志望動機の面でも有利になります。新卒時にも職員になりたかった。その思いを5年間持ち続けていて、今、転職したいということをアピールしてください。
一旦、不合格になっていますので、不利なのかな?と思いがちですが、不利ではありません。筆記試験で落ちた人も、面接試験で落ちた人も、その執念が有利に働きます。
新卒時に公務員試験に落ちて民間に就職した人は、就活の開始時期が遅く、1ランク下の会社にしか就職できない人が多いです。その状況を打開する意味でも、昔の夢に向かって市役所に転職した方がいいのです。
すぐに仕事を辞めるのはリスクが大きい
公務員への未練が出てきた場合、すぐに辞めたい気持ちは分かります。嫌な会社で5年間も耐えることなど、不毛以外の何者でもないとすら感じることも理解できます。
しかし、辞めることは大きなリスクだということを理解しておく必要があります。
確かに、市役所の上級試験というのは、新卒至上主義ではありません。新卒でなくてもほぼ不利にはなりません。現時点での方向転換は可能です。これが民間企業とは大きく異なる点です。
新卒者のほかに、いわゆる第二新卒、つまり、いったん民間企業に就職したけれども辞めた人も実際に多く受験します。
辞めた理由は、民間が嫌になった、公務員への未練が断ち切れなかった、あまりにブラック企業だったなど、それぞれありますが、どのような理由であれきちんと論理立てて説明できれば採用されます。
上級試験に自信があって、どうしても仕事を続けることができない状況の場合、いったん辞めてしまって、第二新卒として試験に臨むことは仕方のないことです。
また、公務員試験では公務員浪人をする人も一定数います。在職しながらですと、そういう人に比べてどうしても勉強時間が限られてしまいます。
ブラック企業で細々と勉強を続けることすらできない人の場合は、仕事を辞めることは仕方がないと思います。しかし、おすすめはできません。不合格になった場合、無職になってしまいます。
在職しながら上級試験を受けるのがベスト
公務員への未練が捨てきれずに今の仕事に集中できないという程度の理由の場合、できるだけ在職しながら勉強することをおすすめします。
学生時代に筆記試験をしっかり勉強していた人は、あえて仕事を辞める必要はありません。在職したまま勉強を続けて受験すればいいだけです。
面接時に、「今の会社を辞めることは可能ですか」という当たり前の質問をされますが、合格後に辞めればいいだけのことです。何も揉めません。
特に、新卒時に筆記試験に合格していて面接で落ちた人ほど、辞めるリスクが大きくなります。
筆記試験でいったん合格レベルに達した知識がありますので、そこをさらにブラッシュアップする必要は薄いと考えます。
会社を辞めてしまって今回も面接で落ちると、人生追い詰められてしまいます。保険として、今の会社にも在籍したまま受験することです。
面接の合否の要因というのは、なかなか明確に説明できないものです。本人の資質が足りないという曖昧な言葉になってしまいます。改善する方向性も分かりにくいです。
面接で落ちたという事実がある以上、再び落ちる可能性は大いにあります。やはり保険は必要です。
また、単に保険というだけではなく、社会人として先輩や上司と日々コミュニケーションを取ることは、これ以上ない面接のトレーニングになります。
学生生活とは異なる会社という環境で、たった1年でも2年でも過ごしますと、面接試験での受け答えがまともになります。
実際の面接試験では面接官はダメだしをしてくれません。にっこり笑ってD判定を付けるだけです。
また、公務員予備校の模擬面接も、ある程度オブラートに包んでの指摘になりますので、不合格者ラインの社会不適合者の人が、自分の本当の評価に気付くことは難しいのです。
しかし、会社の上司は容赦ありません。社会不適合者にはダメ出しの連続です。かなりのストレスですがこれが訓練になるのです。毎日が面接のトレーニングになります。
「仕事を辞めて背水の陣の覚悟を決める」という言葉は綺麗です。グッときます。しかし、落ちたら死ぬという覚悟があるわけでもないので、言葉だけです。落ちたら路頭に迷うか、親に頼るだけになります。
今の会社で余力が少しでもある場合、辞めずに年齢制限いっぱいまで上級試験を受験するべきです。まずは、在職しながら上級試験、5年間勤務した後は社会人採用試験の2段構えでいくことが最善です。
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