広島市役所の初任給の支給モデル
広島市役所の民間経験者採用の初任給について、市役所発行の「採用試験受験案内」を基に解説します。正確に言いますと、「民間経験者」採用ではなく「経験者」採用です。民間企業ではなく、公務員の経験でもOKです。
大卒モデルで明記されているのは、次の3パターンです。
35歳(勤続10年) 257,900円
45歳(勤続20年) 293,700円
55歳(勤続30年) 322,000円
50歳代の初任給モデルが提示されているなんて珍しいですね。50代の人が本当に合格できるのか、正直、疑問には思いますが(笑)。
これは基本給に地域手当を加えた合計額です。
地域手当とは、広島市職員の給与に関する条例によりますと、基本給に一律10%加算される手当のことです。全員に加算されます。地域手当の水準は、各都市の物価水準で決められています。10%というのは、全国的に見て平均的な水準です。
35歳(勤続10年)のケースで説明しますと、基本給は234,450円、地域手当は23,445円で、合計が約257,900円になるわけです。
このほかに支払われる給料がある
採用試験受験案内によりますと、広島市では、この金額に固定的給与として扶養手当、住居手当、通勤手当が加算されます。しかし、その金額については明記されていません。給与条例を見る必要があります。
まず、扶養手当についてです。
配偶者を扶養する場合、6,500円です。夫婦共働きの場合は、扶養していませんので支給されません。また、子供につきましては、1人に付き10,000円です。
扶養手当の水準としましては平均的です。地域手当に引き続いて扶養手当も平均値とは(笑)。
次に住居手当についてです。
条例には非常に分かりにくく金額が記載されているのですが、要するに家賃の半分を支給しますよ、ただし、上限は27,000円ですよとなっています。
当たり前ですが、住居手当は、賃貸物件に住んでいる職員を対象として支給されます。持ち家購入者や親元に同居している職員には支給されません。
住宅手当の水準も全国の政令指定都市と比較しても平均値です。ザ・平均値、広島市(笑)。
通勤手当は、電車・バスの定期券代が支給されます。実費が支給されるものです。
整理しますと、大卒35歳(勤続10年、扶養なし、賃貸住宅)の場合、給料は「28万円」になります。手取りでは「22~23.5万円」です。
大卒45歳(勤続20年、妻と子1人を扶養、賃貸住宅)の場合、給料は「34万円」になります。手取りでは「26~27万円」です。
毎月固定的に支給されるものはこれで全てになります。このほかに変動的なものとして、時間外勤務手当が支給されます。いわゆる残業代です。
初任給の水準にもよるのですが、おおよその理解としまして、残業代の単価は1時間当たり2,000円となります。毎月20時間の残業をこなす場合は、残業代は40,000円となります。
近年は働き方改革で、どこの会社でも残業を減らす圧力がすごいです。公務員でも当然同じです。仕事は減らないのに、働く時間は減らせという矛盾・・・は、いったん置いておきます(笑)。
部署にもよりますが、毎月の残業時間の平均が20時間~30時間を超えることはなかなかない状況です。一部、本庁職場の社畜職員のみ、毎日深夜まで残業を重ねていますが、半分以上の職場では、残業は減少傾向です。
残業が全くない職場もあります。0時間です(笑)。区役所など出先機関の窓口業務を中心にそういう職場は存在します。
「残業」というものに対する考え方は個人差が大きく、できるだけしたくない=早く帰りたいという人もいれば、できるだけしたい=稼ぎたいという人もいます。
私は前者です。圧倒的に前者です。
しかし、仕事量というのは自分ではコントロールできません。市役所の特徴として、暇な職員が忙しい職員の仕事を手伝う風土もありません。
その結果、私は反残業派にも関わらず、月間180時間ほどの残業を重ねていた時期がありました。まさに過労死水準です。そう、世界の共通語になったKAROSHIです。・・・死ななくてよかった(笑)。
このように、残業時間=残業代は自分ではコントロールすることができません。収入アップのために残業をしたいと思っても、仕事が全くないためできない部署も多々あります。転職する前から残業代はあてにしないことです。
ボーナスの支給水準
採用試験受験案内によりますと、期末・勤勉手当が支給されます。そう、ボーナスのことです。「支給される」とだけ記載されており、金額など、細かいことは何も記載されていません。
利根川風に言いますと、「ボーナスは出す・・・!出すが・・・今回まだその時と金額の指定まではしていない。どうかそのことを受験者の諸君らも思い出していただきたい。つまり・・・市役所がその気になればボーナスの受け渡しは10年20年後ということも可能だろう・・・ということ・・・!」
話を元に戻します。公務員のボーナスは、こんなカイジのような展開にはなりません(笑)。
年2回、合計で4.4箇月のボーナスが支給されます。
6月に2.2箇月、12月にも2.2箇月の合計4.4箇月になります。ボーナスの算定基礎は、基本給、地域手当、扶養手当の合計金額になります。住居手当は含まれません。
35歳(勤続10年、扶養なし)では、6月・12月にボーナスとしてそれぞれ57万円ずつ支給されます。
45歳(勤続20年、妻と子1人を扶養)では、6月・12月にボーナスとしてそれぞれ68万円ずつ支給されます。
広島市役所の初任給のまとめ
広島市役所の初任給は、ほかの自治体と比較して、まさに平均値です。特段、これと言ったひねりや特徴はありません。ザ・公務員(笑)。
公務員に給与水準は大手企業に比べるとやや下ですが、普通に生活する分には支障は全くないと思います。言っても地方都市の物価水準ですしね。この金額を転職を目指すかどうかの判断材料にしていただければと思います。
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