がむしゃらに働いた転職1年目
民間会社を辞めて市役所に転職したこと自体に後悔を感じたことはないですが、市役所に10年も勤めていますと、だんだん辞めたくなってきてしまいます。
ここでは、私が市役所を辞めたい理由をご紹介します。転職希望者の皆様にも知っていただき、そのうえで転職するかの判断をしていただきたいと思います。
まず、転職した1年目~3年目くらいは猛烈にがむしゃらに働きました。激務な部署で、年下の先輩から仕事を教えてもらいながら働きました。
市役所の仕事は毎年同じ仕事の繰り返しなのですが、マニュアルのようなものはありません。とりあえずその場しのぎの繰り返しで、翌年度にノウハウが残らないのです。
私は、教えてもらったことをその場でノートにメモして、後でワードにまとめ上げていきました。教えてもらったことを、もう1度聞くことがないようにしていました。
残業時間は恒常的に100時間近くになり、最大では180時間を超えました。1年目の年休取得は0日でした。
聞かれた仕事は、知らないことでも全て「調べます」と答えました。忙しくても、念願の転職でしたので、辛い・辞めたいという感情はなく、ただただ一生懸命でした。
また、転職1年目の基本的な心得なのですが、「前の会社ではやり方が違った」などとは口にせず、まずは市役所の仕事の進め方を尊重しました。
そういう意見は、一旦ノートなどに書き留めておき、2年目以降、仕事の仕組みを理解できた段階で改善していくべきものです。私もそのように実践していきました。
ふと気が付くと、同期が露骨に仕事をしていなかった
転職して数年経って、忙しさも落ち着いた時点で、ふっと周りを見渡すと、他部署に配属されている同期に、何人か露骨に仕事をサボっている人がいることに気が付きました。
そして、そういう同期は次の人事異動でさらに楽な部署に異動していくことにも気が付きました。
年々、仕事をしない同期は増えていって、制度的にも有給休暇をフルで取得したり、給料が減らない範囲で育児の短時間勤務を取得したりと、職場に寄生している状態になっていきました。
採用時には、将来副市長になると息巻いていた同期も、さっさとのんびりムードに突入してしまいました。
公務員では、多くの職員がのんびりと過ごしていて、ごく一部の職員に仕事が集中します。ブラック企業の社畜のように働かされます。奴隷のように働かせてもいい奴だと一旦認識されてしまいますと、抜け出せません。
私も子どもが生まれたとき、同期と同じように育児の短時間勤務を取りたいと申し出ましたが、断られました。謎のお断りです。労働組合や労働基準監督署などに駆け込まない奴だと認識されていたのです。
制度があるのに、利用できる人と利用できない人がいるのです。それが公務員です。私は利用できない人に区分されていました。
この時点で一気にヤル気がしぼんでしまいました。それでも私は根っからの真面目な性格で、社畜根性も染み付いていましたので、ヤル気がないながらも、仕事に手を抜くことなく頑張っていました。
そうすると次からの人事異動でも、やはり激務な部署を渡り歩くことになり、係長にも昇進して、バリバリと仕事を押し付けられるようになりました。それが公務員文化なのです。
長く市役所で働くコツは仕事を拒否することです。人目もはばからず、それは自分の仕事ではないと拒否するのです。
無駄な研修が多すぎるという不満
始めのうちは地元の市役所で働くことに楽しさを見出していましたが、市役所の仕事のシステムに一旦不満を感じますと、市役所の良くない点ばかり目に付きます。不満が溜まりだすと、市役所の粗が見えてくるのです。
まず、無駄な研修が多いこと。公務員は研修を受講する機会が多いです。転職した当初は、「さすが、公務員は育成システムがしっかりしているな」などと言っている同期もいましたが、とにかく多いのです。
所属ごとに受講人数が割り当てられます。莫大な量の無駄な仕事を抱えているにも関わらず、その人数分が強制的に受講しないといけないのです。
私は知識の伝達やシステムの操作研修系は意味がある研修だと思っています。一方、意識改革系は全く意味がないと感じています。
先日、モチベーションアップ研修を受講されられましたが、全くアップしませんでした。働き方改革研修も受けましたが、いっこうに仕事が減りません。
ヒマヒマしている同期のヤル気が改善されることもありませんし、いったい誰のための研修なのかと思います。
その答えは、局の保身のための研修なのです。私の市役所では、年間200回職員研修をしたなどと宣伝をしています。仕事をしっかりさせるためにこれだけ研修をしているのですよと、回数で証明しようとしているのです。ただそれだけのためです。
公務員には社会不適合者が多いという不満
前の会社と比べて、同期や上司に異常者が多いです。公務員試験を突破してきて、公務員一筋の人にありがちです。
本人のいないところで、周りの職員に聞こえるように大声で小馬鹿にする発言をするなど、日常的に目にします。一部の職員だけなのですが、社会不適合者なのです。
一緒に仕事をしている人を批判して、自分が優位に立ちたいというマウンティングです。もう猿かと(笑)。
そういう不適合者でも、公務員の世界では出世できます。部長や局長まで出世した場合ではパワハラの問題が出てきます。
自分は偉い・賢いと思い込んでいる人が実際に偉くなってしまった場合、部下に当たり散らします。普通の会社と比べて、市役所ではパワハラ被害が多く出ます。だって、異常者が多いから(笑)。
私の局では、パワハラで3箇月ごとに職員が1人つぶれていった時代がありました。うつ病です。それが普通だという空気がありますので、あまり改善されません。どういう人が上司になるかは運ですので、そういう人に当たらないことを祈るのみです。
市役所は係員さんパラダイスという不満
私の市役所では、平社員の係員のことを「係員さん」と言っています。この現象が全てを言い表しているのですが、係員さんの機嫌を損ねないように気を付けて仕事をしています。
係員さんは職員団体という名の労働組合に入ります。労働組合のことは「組合さん」と呼びます。組合さんの機嫌を損ねると事業が回りません。典型的な圧力団体なのです。
また、私の局には現業職場が多くあり、現職職である技能労務職員を多く雇用しています。元々、同和採用の優先雇用でほとんどの技労を採用してきた黒歴史があります。
同和団体の力は以前強く、同和>>>市役所の力関係が残っています。また、技能労務職員が労働組合の実権を握っていますので、組合さん>>>市役所なのです。
技労の職員は常に出身母体である同和団体の方を向いて仕事をしていますので、技労が怒る→労働組合と同和団体が怒る→市役所がとっちめられる、の図式が成り立っているのです。
この図式に試験採用の係員さんも乗っかっていて、係員さんパラダイスが横行しています。私の市役所では、民間企業とは逆の力関係ができあがっています。
係員さんは自分の権利を振りかざしします。定時後、先に帰るのは係員さん、最後までいて戸締りをするのが係長・課長です。
年休を優先的に取得するのは係員さん、係員さんの休みの予定と調整しながら取得するのが係長・課長です。仕事で楽をするのは係員さん、しんどい仕事を持つのが係長・課長です。
組合さんは、自らの構成員である係員さんのことを全力で守ります。間違った守り方ですが、それが組合さんの流儀です。
そういう環境で同期がパラダイスを謳歌しているのに、自分だけ係長になってあくせくと働いているとさすがに仕事を辞めたくなります。アホらしくなって(笑)。
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