公務員の給料と年収

市役所に転職した私の30歳と40歳時点の年収

私は30歳で市役所に転職しました。転職前の会社での年収は残業手当など諸手当込みで550万円ほどでした。手取りではなく、総支給額です。

私が勤めていた会社は、東証1部上場の製造業でした。連結ベースで、従業員3000人ほど、売上3000億円ほどです。業界内では有力企業ではありました。大手企業の中では平均的な給与水準だったと思います。

そして地方公務員に転職して、初年度の年収は540万ほどになりました。自分の市場価値というのはなかなか正確には分からないもので、当時は、自分の実力に対してこれが適正なのかどうかも分かりませんでした。

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その後、公務員の基本給は定期昇給で必ず毎年上っていきます。実際の年収は残業時間の影響でブレが大きいですが、実際の推移としては、毎年10~30万円くらいずつ増加していきました。

転職うさぎ
毎年昇給していくんだね
面接官かめ
公務員は頑張っても頑張らなくても昇給します

このペースで増えていき、40歳の時点では、係長職に出世して年収750万円ほどになります。手取りではなく、総支給額です。

市役所は残業の多さで年収にかなり差が付く

私は、民間会社の時代に、毎月20~30時間くらい残業をしていました。最長記録は月間160時間でした。その時は、24時に帰宅して、朝2時には出発したりと、過労死するかと思っていました。

地方公務員に転職してからは、残業は概ね減りました。ただし、部署によって繁閑の差が激しく、また職員ごとによってもものすごく差があります。できる職員には大量の仕事が割り振られて、できない職員の仕事は少ないというのが実情です。

ちまたでよく市役所の仕事は楽だと言われていますが、それは誤解です。できない職員が楽をしているだけで、そこだけクローズアップしてワイドショーで報道されたことで定着した誤解です。

地方公務員は、単純に一人当たりの仕事の量が少ないということではありません。こき使える職員、つまり社畜職員に多くの仕事を割り振って、そうではない職員、使えない職員にはほとんど仕事を与えません。それが公務員です。

職員によって業務分担の量に大きな差がありますが、仕事をやっても、やらなくても、給料は一緒です。それが公務員です。大切なことですので2回言いました(笑)。

転職うさぎ
評価で給料に差が付かないのかな
面接官かめ
付きません。それが公務員の給与制度です。

あまりにヤル気のない職員は、退庁時間が近づくとパソコンを閉じて瞑想モードに入っています。注意をしたり、改心させるという雰囲気は職場に全くありません。ほとんど仕事ができず周りがカバーしなくてはいけない職員は少なからずいます。お荷物の職員がいる職場では周りの職員の苦労が多いです。

総じて言いますと、職場には残業をするという雰囲気がなく、5時15分の終業のベルがなると、5分以内に半分くらいの職員が退庁してしまう感じです。

私の残業はと言いますと、1年目は非常に多かったです。仕事を覚えるために必死でこなしていました。繁忙期には月間180時間となり、民間勤務時代の最長記録をあっさり更新してしまいました。過労死の認定基準である月間100時間を大きく超えた残業時間でした。

その後、異動のたびに忙しさが変わり、毎月10時間ほどに落ち着いたり、ヒマで手持ちぶさたな日々もあったり、反対に、再び激務の職場に異動して月間150時間の残業をしたりしました。

市役所にサービス残業はあるのか

働くうえで気になる点は、サービス残業の有無です。モチベーションに関わる問題です。

私が長時間残業をしていた部署では、「60時間を超えた分の超勤申請は翌月に繰り越す」という謎ルールが運用されていましたので、翌月に繰り越し、それでも余ったら、また翌月に繰り越すということを繰り返して、その結果、サービス残業にはほとんどなっていません。

まあ、労働基準法の当月払いの原則には違反していますが(笑)。

サービス残業があるかないかは、市役所によって異なります。私の市役所では概ね少ない方です。しかし、部署によっては、残業手当が付く時間の上限が決められていて、それを超えたらサービス残業の部署もあります。

基本的に、本庁勤務ではなく出先機関の職員はそもそも残業が少なく、サービス残業もほとんどありません。一方、総務局などの重要な部署ほど残業が多く、上限を越えてしまい、結果としてサービス残業になってしまっています。

どこの部署に当たるかは「運」です。使える人間ほど、厳しい部署に当てはめられる傾向は強いですので、使えないオーラを出しておくと得をする世界です。

民間企業では労働基準法違反ですが、地方公務員には労働基準法は適用されていませんので、36協定もありません。そもそも36(サブロク)協定という言葉を知らない職員も多くいて、最初は驚きました。

近年、民間企業では、労働基準監督署からサービス残業について厳しく指導や指摘を受けている会社も多くあります。私の前の会社もそうでした。

しかし、公務員では人事委員会が労働基準監督署に代わる機関ですが、たいした指導はしてくれません。働き方改革がなかなか浸透していません。

いろいろな手当は現業職のためのもの

地方公務員は、給料のほかに各種手当が充実していると世間では言われています。特殊勤務手当、特異性手当など、諸々の手当で手取りがかさ上げされていると、週刊誌に書かれています。

しかし、そのような手当は、給食のおばちゃんやごみ収集のおっちゃんなどの現業系の人に当たっているものです。試験採用で入庁した人には当たりません。これが現業天国と言われている所以です。期待しないでください。

給与のほかに会議費・交際費は支給されない

給与以外の収入で大きいのが、夜の飲み代について、会社がお金を出してくれるかどうかです。私の勤めていた会社では、社外の人と一緒に行けば交際費、社内の人だけならば会議費という費目で、どちらにしても会社持ちでした。良い会社です(笑)。

どのくらい使えるかは、明確な基準はありませんでしたが、「常識の範囲で」となっていました。

私の在職中には、年間で1500万円ほどの会議費を使い込んだ社員がクビになるという事件もありました。飲み屋と結託して一部をキックバックさせていたのです。

しかし、普通の人は、細々と使っていました。私もそうしていました。

公務員ではこういう会議費や交際費は一切支給されません。そもそも庁外の人間と飲みに行くことがありません。癒着の温床になるので禁止されています。

市役所内部の親睦会も全部自分たちで全額を負担します。職場の歓送迎会くらい、普通に会社持ちでいいと思うのですが、これも実費です。

さすがに歓送迎される人の分は上司が出してくれるのですが、上司も大変です。世の中では公務員バッシングの嵐ですが、結構、民間の大手企業の方が優遇されていたと思います。

市役所では親睦旅行会も自腹で行く

また、課内の親睦旅行会も給料から毎月積み立てをしており、自分のお金で行きます。

旅行と言っても、仕事上の付き合いですし、前の会社では、1人当たり3万円は出してくれたのに、市役所からは1円も払ってくれません。清く正しい公務員生活です。

公務員は福利厚生がいいとはいったい誰が流しているデマなんでしょうか。

転職うさぎ
本当は裏金を使い放題じゃないの?
面接官かめ
裏金なんてありません。クビになってしまいます。

一言に民間会社と言っても、この当たりのグレーはお金については、会社によって差が大きく、そもそも一切禁止で、その分給料がもっと高いとかという会社もあります。

そういう人にとっては、スッと受け入れられると思います。

私の勤めていた会社は、昔ながらの伝統ある会社でした。良くも悪くも公私混同で、飲み会やら旅行会やらの費用を会社が負担してくれていました。今になって考えますと、それが一流企業の証だと社員全員が思っていたのかもしれません。

世の中には、公務員を妬んでいる方も多いと思います。しかし、一流企業や大手企業の給料と比較すると、妬むほど高給ではないのです。公務員の給料は安定していますが、それほど高くありません。せいぜい中堅企業と同じくらいです。

大企業 > 公務員 = 中堅企業 > 中小企業

転職前に、自分のスキルや経験に価値はあるのかチェックする方法

私の市場価格は年収713万円だそうです。そこそこ高いですね(笑)。結構、資格持ってますから。

特に家族や子どもがいる方にとっては、転職後の給料というのは重要な問題です。まあ、独身でも同じですが、多ければ多いほど嬉しいです。

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転職うさぎ
オレの価値も分かるんですかね?
面接官かめ
5分で適正年収が分かりますよ

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私の場合は、オファーの年収平均は713万円で、選考条件に合致した企業が258社ありました。思ったより豊作です。なぜなら今は空前の転職バブルだからです。

不況の時代に就職した氷河期世代では企業に搾取されている人も多いので、そういう人は労働条件がアップする人が多いと思います。

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