市役所の論文対策

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社会人試験では論文が必ず出題される

近年、多くの政令指定都市で経験者採用が実施されています。首都圏でも実施されていますし、大阪市や名古屋市など地方の大都市でも当然のように実施されています。

ほぼ全ての市役所で、筆記試験の一部として、論文試験が実施されています。原稿用紙に小論文を作文する試験です。社会人にとってはレポートと言った方が分かりやすいかもしれません。

民間会社で既に働いている人に、法律や時事問題などの知識を問うような試験の勉強を長時間させることには無理があります。そのため、対策にあまり時間の掛からなず、その人の今までの人生経験の厚みを試すことができる小論文を課しているのです。

各市役所の試験で論文試験が出題されるかどうかは、募集要項を見れば分かります。また、過去問として小論文の出題例が記載されている場合もあります。

転職うさぎ
作文は苦手だな~
面接官かめ
文章力が試されるのではなく、これまでの経験が試されるのです

市役所によっては、論文試験が2問課される場合もあります。私が合格した市役所では、「職務経験論文」と「一般論文」の2題でした。

全ての市役所で、この職務経験論文が出題されます。これまでの仕事の経験をアピールする論文です。

論文試験は文章力を試す試験ではありません。社会人として最低限度のクオリティさえ維持していれば十分です。それよりも大切なのは、これまでの仕事の経験です。仕事の成果です。

高いレベルで結果を出してきた人が合格します。当たり前ですが(笑)。

参考記事

30歳前後で達成するべき通常レベルの職務経験が求められます。
・ どれくらいの成果が必要か

論文の対策にはまとまった時間が必要ですので、私は土曜日や日曜日など休日に1回90分くらい掛けて対策を進めました。平日は択一式試験の対策、休日は論文の対策といった具合でした。

職務経験論文の書き方

必ず出題されます。私の市役所では「これまでの民間会社での職務経験を、どのように市政に活かすことができるか」という問題が毎年出題されていました。

出題テーマの書きぶりはそれぞれあるでしょうが、どこの市役所もテーマの趣旨は全てこういう趣旨です。文字数は市役所によって異なりますが、一般的には900文字です。私が受験した市役所も900文字でした。

試験のときにその場で場当たり的に書いていくのは無理があります。あらかじめ、出題されるテーマが予告されているようなものですので、しっかり書く内容を事前に固めておく作業が必要になります。

合格する人は必ずこの作業をしています。まず文面を固めて、暗記をするまで繰り返し覚えておきます。そうすることで、合格ラインの論文を書くことができます。

暗記の試験とは違って、小論文をあらかじめ準備をしておいて、試験当日にそれを書き出すだけですので、頭の良さは関係ありません。

まず第1に、今までの職務経験でしっかりとした経験を積み重ねてきたこと、そして第2に、事前に準備をしてその内容をまとめておくこと、この2つさえできれば合格圏内です。

ここで、注意するべき落とし穴があります。普段はパソコンで作業をしていますので、原稿用紙に手書きで書くのに、思ったよりもてこずるのです。

原稿用紙を買ってきて、1回書いてみること。それが大事です。思っていたより漢字が書けなかったり、余計に時間が掛かったりと苦戦しました。

文面が固まった後は、暗唱できるくらい何回も暗記して、何回かは実際に原稿用紙に書いてみること。この対策が重要です。

解答例の具体的な作り方

私は会社の遊休地を売却する仕事をした経験がありましたので、まず、その仕事内容や目的を簡潔に説明し、成功させるために気を使った点を記載しました。次に、それを市役所でどのように活かすかをを記載しました。

前半が職務経験の成功体験、後半が市政への貢献という2部構成になっています。

前半の具体的な項目としましては、会社の重役へメリットを示して説得した点、従業員へメリットを示して説得した点、地元住民の理解を得るために行った点などを挙げました。

後半では、その経験を活かして、市民にしっかり市政を説明をして納得を求めていきたいと結論付けました。驚くほど当たり前の結論です(笑)。

模範解答の例文としましては、こういう構成がほぼ正解なのかなと思います。

文面を固めるために、私はまず1回書いてみました。といっても、パソコンで作成しましたが。私の場合、最初に書いた論文では、会社の重役への説明と、従業員や労働組合との折衝の話題を中心に作成しました。それだけで、900字を軽くオーバーしてしまいました。

次に、同じテーマで、自分なりに切り口を変えてもう1回書いてみました。そのスキル・経験を市役所の仕事へどのように役立てることができるかという視点で書き切りました。

最終的には、それらを融合してまあまあの文章が完成しました。最初の文章と比べると、構成や表現がかなり改善されたものになったと思います。余計な情報をそぎ落として、内容が詰まったレポートができあがった感じです。

転職うさぎ
文面を固めるまでが大変なんだね
面接官かめ
実際に3回ほど書けば、自然と固まってきますよ

小論文は、あくまで今の会社でそれなりの困難な仕事を任されているということが前提になります。

一般職や派遣社員で正社員と比べて責任や権限がない場合や、いわゆるコピー取りや軽作業が中心であったり、工場の現場作業員の場合、成果というものがあまりありませんので、合格ラインの論文を作成することは難しくなります。

学生時代の感想文のように、文書のレトリックだけでごまかして作ろうとしても、中身がスカスカのものになってしまいます。その場合、転職は難しいと思います。

一般論文の書き方

私の市役所では、一般論文は、当日まで論文課題が発表されませんでした。文字数だけが公表されており、600文字でした。

こういう場合、多くの受験者は、そのテーマを見てから、その場で考えて小論文を書こうと考えます。これは間違いです。ここで差が付くのです。

私は、どんな論文テーマが出題されたとしても、書く内容の骨子を決めていました。その骨子に、出題テーマ特有の味付けをして書きあげるのです。決めて行った骨子は「住民参加による地方自治」というテーマでした。

どんなテーマであっても、3段落の構成にする予定でした。

まず、導入として、地方財政の危機を書き、次に、そのために、住民全員が満足できる施策を十分に実施できない、集中と選択をする必要があるという内容を書いて、最後に、住民の意見を聞いて、選択と集中をしていくという結びにしました。

この構図なら、テーマが「教育の改革」「市政の改革」「地元企業の振興策」などであっても、論文として成立させることができます。

なぜなら、「住民の意見をきちんと聞いて、市役所できちんと考えて、実施した政策には責任を持つ」という構図は、地域づくりや住民自治の全ての課題に当てはまるからです

テレビにたまにある企画で、漫才師がテーマを与えられて即興で漫才を作る場合、全くのゼロから作り上げた即興漫才よりも、既存の鉄板ネタにそのテーマを少しだけ絡ませた方が数倍面白いでしょう。それと同じ考え方です。

この構図をそのまま参考に使っていただいても結構ですが、構図の導き方もご説明しておきます。

まず、論文対策本を1冊買ってきて、何でもいいのでテーマについて1回書いてみます。まず、1つのテーマでじっくり深く掘り下げて考えて書いてみるのです。

次にまったく別のテーマで、同じように掘り下げて書きます。その際、1つ目のテーマで軸になっていた視点を強引に結びつけられないか考えます。

自治体の市政をテーマにした論文なのですから、根っこの部分で結びつけることが必ずできます。そうすることで1つ目のテーマの視点という別角度の分析を盛り込んでうえで、2つ目のテーマに関する論文を書き上げることができます。

さらに、これを3題目でも同じ方法で実施すれば、もう十分です。3つの視点を融合した骨子素案が完成します。

転職うさぎ
論文対策って面倒だな
面接官かめ
産みの苦しみだけがつらいです
オリジナルを産み出したらそれで完了です

後は勉強時間が許す限り、この素案をブラッシュアップしていくことです。

このように、一般論文では骨格となる構図をあらかじめ準備しておくことが必要になります。多くの受験者はそこまで意識していない場合が多いので、差が付くポイントになります。

その場で柔軟に考えて自由に書くというのは、ただの根なし草になってしまい、よくありません。



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