社会人採用の筆記試験は時事問題と一般教養が出題される
転職と言えども、公務員試験には筆記試験が必ず課されます。採用募集要項を確認すると、「社会人基礎試験」と表現されている場合もありますが、筆記試験のことです。
筆記試験ではどういう問題が出題されているのでしょうか?
答えはシンプルで、ただの択一式の教養試験です。出題範囲は、時事問題と一般教養(国語や数的推理)の2分野です。しかも、問題の難易度はそれほど難しくありません。
会社に勤めながら公務員の筆記試験の勉強をするのは、常識的には無理があります。私もほとんど勉強する時間は取れませんでした。しかし、受験者全員でその条件は同じですので、悲観する必要はありません。
私が使用したテキストは1冊だけでした。時事問題の問題集「公務員試験 速攻の時事」(実務教育出版)1冊を購入して、時事問題を徹底的に暗記しました。
民間企業からの転職ですので、筆記試験の成績自体は、それほど重視されません。重視されるのは、論文や面接でこれまでの仕事の成果をアピールする力なのです。
勉強時間の無さを悲観する必要はないのです。これ1冊なら何とかなるでしょう。
筆記試験と言っても、5択のマークシートです。筆記試験の出題レベルはそれほど難しくありません。国立大学の出身者や、私学でもMARCHや関関同立以上なら、あまり心配しなくてもいいレベルです。
多くの市役所の経験者試験では、筆記試験に合格しさえすれば、1位合格であっても、ボーダーラインのぎりぎりであっても、次の面接試験には得点を持ち越しません。
筆記試験の得点はリセットされ、面接に影響ありません。これをリセット方式といいます。トップ通過でもボーダーラインでの通過でも、面接での合格しやすさは変わりません。
筆記試験は50時間勉強すればOK
では、どれくらい勉強すればよいのでしょうか。私の経験では、目安は少なくて50時間、多くても100時間だと考えます。
これ以上、勉強する必要はありません。大卒の公務員試験とはかなり色合いが違いますので、時間の無駄になります。民間経験者試験は、択一式のマークシートよりも論文や面接対策に時間を掛ける方が得策です。
毎日勉強するなら、1日30分として3箇月余りです。平日にうち3日くらい1時間ずつ勉強してする方法もあります。これなら無理なくできるでしょう。
私の勉強時間は、平日に1日30分で、3箇月ほど毎日行いました。土曜・日曜は論文の対策を進めました。平日の細切れの短い時間で筆記試験の勉強をして、休日のまとまった時間で論文の準備をするという具合でした。
速攻の時事で、最新の時事問題をとにかく勉強する
経験者試験の勉強は、とにかく時事問題に特化するべきです。出題される比重が大きいためです。
誤解しがちな点としましては、普通に新聞を読んでいるだけでは時事問題を解くことはできません。あくまでテキストを使って出題ポイントを暗記していくことが必要です。
時事問題は、「速攻の時事」が使いやすくておすすめでした。私が最も愛用していたテキストです。地方公務員の転職試験で出題されるレベルに上手くまとめてくれており、重宝しました。
サラリーマンは勉強時間を確保できませんので、これ1冊で十分です。バイブル扱いの1冊ですので、ほかのテキストに手を広げる必要はありません。時間の無駄です。
「速攻の時事」は、項目ごとに見開き2ページで上手くまとめてくれています。私は1日1項目と決めてコツコツを覚えていきました。また、出題の可能性を☆の数で示してくれており、集中して覚えるべきページが分かりやすかったです。
大事なことですのでもう1度言いますが、仕事をしながらでは勉強時間に限界がありました。このテキスト1冊に集中して取り組んで、「これに載っていない問題が出たら、どうせ他の受験者も解けない」と割り切りました。
不用意に手を広げて、あれもこれもと頑張らずに、これ1冊だけ取り組めば、合格ラインに届くと思います。小さい本屋では置いていませんし、安い本ですので、ネット注文でサクッと手に入れてください。
これを全部覚えれば、合格レベルを余裕で超えてくると思います。
一般教養は今更勉強する必要はない
経験者採用試験では、国語や英語、歴史など、一般教養問題も出題されます。しかし、時事問題に比べると出題数は圧倒的に少ないです。
今、仕事をしながら国語や数的推理の勉強をする時間がありますか?ないですよね?私もそうでした。
受験した1年目は、一般教養のテキストも購入しましたが、無駄でした。そんなに大量に勉強する時間が取れませんし、そもそも、今更勉強してもあまり身に付きませんでした。
時事問題はいろいろと知識を整理できて非常に有益でしたが、一般教養はあまり力はアップしませんでした。
数的推理とか、文章理解とか、分野別の問題集も出版されていますが、分野ごとに個別に極めるには時間が足りませんので、今更そんな勉強をする必要はありません。もはや、今までの自分の力を信じるしかありません。
また、時間に余裕のある人は、法律系の勉強もしておけばよいかと思いますが、私は何もせずに合格しました。
過去問が一部公開されている市町村もあり、また、出題分野も公表されていますが、社会人から転職組の試験ではこれらの出題数は少ないです。
勉強時間が取れませんので、一般教養は大学受験などで今まで培ってきた自分の力を信じて、時事問題に絞って勉強するのが有効です。出題レベル的にもそれで十分です。
筆記試験の合格ラインは60点で十分
択一式の筆記試験の合格ラインは60点です。60点でボーダーラインのギリギリで、65点なら合格圏です。5択のマークシートでそのくらい正解すればいいのです。
社会人をしながら勉強するのは大変ですが、6割の正解を目指せばいいのです。全問正解する必要はないのです。
市役所にもよりますが、よくあるパターンとしては、問題数が40問~50問くらいです。ここでは分かりやすく50問でシミュレーションしてみます。合格最低点は30問の正解(60点)、安全圏は32問(64点)の正解です。
得意・不得意分野はあるでしょうが、完璧に解ける問題が4割の20問、二択までは絞れたけどどちらか正解か自信のない問題が20問、全く分からずお手上げが10問まで仕上げます。
この場合、二択までの20問のうち、運で10問正解します。お手上げのうちからも五択ですので運で2問正解します。全くの当てずっぽうでも確率的に2問は正解します。
これで、20問+10問+2問=32問の正解で、64点は取れます。どうですか?このレベルくらいまでなら仕上げることはできるかと思います。
サラリーマンをしながら完璧に勉強を仕上げる必要はありません。むしろ、このくらいを目処にして、日々の仕事で結果を出すことを頑張って、それを元に職務経験論文を書く方が大切だと思います。
社会人基礎試験のために勉強を極める必要はない
社会人基礎試験、つまり、択一式の筆記試験にあまり時間を費やす必要はありません。そんなことに時間を費やすよりも、社会人として実績を残して、面接対策に力を注ぐ方が合格に近づきます。
社会人採用の筆記試験対策では、とにかく「速攻の時事」で、最新の時事問題だけ勉強しておけば間違いありません。しっかりしたボリュームのテキストですが、たった1000円で買えてしまいます。
毎年、最新版に改定されて発行されているベストセラーはやっぱり安いですね(笑)。
いち早く「速攻の時事」を入手して、いち早く勉強していくイメージを持つことです。これが公務員の民間経験者試験の筆記試験を突破するコツです。
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