福岡市役所の初任給の支給モデル
福岡市役所の民間経験者採用の初任給について、市役所発行の「募集案内」を基に解説します。大卒モデルで明記されているのは、次の3パターンです。
30歳(勤続 8年) 282,000円
40歳(勤続18年) 351,000円
50歳(勤続28年) 384,000円
これは基本給に地域手当を加えた合計額です。
地域手当とは、福岡市職員の給与に関する条例によりますと、基本給に一律10%加算される手当のことです。全員に加算されます。地域手当は市役所の給与体系では一般的なものであり、各都市の物価水準を反映した手当です。
福岡市の物価は、高くもなく安くもなく標準的な水準ですので10%なのです。
30歳(勤続8年)のケースで説明しますと、基本給は256,364円、地域手当は25,636円で、合計が282,000円になるわけです。
このほかに支払われる給料がある
募集案内によりますと、福岡市では、この金額に固定的給与として扶養手当、住居手当、通勤手当が加算されます。しかし、その金額については明記されていません。給与条例を見る必要があります。
まず、扶養手当についてです。
配偶者を扶養する場合、6,500円です。夫婦共働きの場合は、扶養していませんので支給されません。また、子供につきましては、1人に付き11,500円です。
扶養手当の水準としましては、まずまず高い方かと思います。十分な水準です。
次に住居手当についてです。
給与条例の記載は複雑ですが、要するに、賃貸住宅に住んでいる場合、家賃の半額が支給されます。ただし、上限は27,000円です。
マイホームを買った人や、独身で親元に住んでいる人には支給されません。各都市の給与制度ではかなり一般的な制度です。
最後に、通勤手当は電車・バスの定期券代が支給されます。実費が支給されるものです。
整理しますと、大卒30歳(勤続8年、扶養なし、賃貸住宅)の場合、給料は「31万円」になります。手取りでは「24~25万円」です。
大卒40歳(勤続18年、妻と子1人を扶養、賃貸住宅)の場合、給料は「40万円」になります。手取りでは「30~32万円」です。
毎月固定的に支給されるものはこれで全てになります。このほかに変動的なものとして、時間外勤務手当が支給されます。いわゆる残業代です。
福岡市役所の募集案内にも明記されていますように、主任として採用されます。主任と言いましても、管理職なわけではなく、係員の中のリーダー格といったところです。
当然、残業した場合、残業代が支給されます。
初任給の水準にもよるのですが、おおよその理解としまして、残業代の単価は1時間当たり2,000円となります。毎月20時間の残業をこなす場合は、残業代は40,000円となります。
私が転職した際の1年目の配属先は激務でした。残業時間は100時間を超える月もありました。しかし、最近は市役所でも働き方改革で、若者を中心に長時間残業を嫌う雰囲気が出てきましたので、さすがにトータルの残業時間は減少傾向にあります。
皆さんのイメージする市役所の職員は、腕に紺色のカバーを付けて(笑)窓口業務をしていて、5時になったら即退庁するというものでしょう。
実際に窓口勤務の職員はそんな感じです。正解です。しかし、民間経験者試験で採用される職員は、いきなり楽な窓口業務に配属されることはありません。
そういう職場は数年たって、使えない職員だという烙印を押されてから異動する職場なのです。激務でも暇でも、給料は変わりませんが。
市役所では、残業の多い・少ないは職場によって大きく異なります。人員配置を適正にして、業務量を平準化することができないのです。しがらみが多すぎて。
なので、一部の社畜職員が過労死ラインを超えて、青い顔で残業を積み重ねる必要があります。どのラインからサービス残業になるのかは、同じ市役所でも職場によって異なります。ただの運です。
残業時間は支給される残業手当は自分ではコントロールできないものです。残業代に頼らないマネー設計が必要です。
ボーナスの支給水準
募集案内によりますと、期末・勤勉手当が支給されると記載されています。いわゆる賞与・ボーナスのことです。
ここで「勤勉手当って何?」ってなるでしょうが、スルーします。ただのボーナスのことです。市役所の給与体系では、欠勤がなければ勤勉だっていう整理です(笑)。
ボーナスの支給水準は記載されていませんが、どこの都市でも同じような支給水準になります。ズバリ4.4箇月です。
年2回の支給ですので、6月に2.2箇月、12月にも2.2箇月の合計4.4箇月になります。ボーナスの算定基礎は、基本給、地域手当、扶養手当の合計金額になります。住居手当は含まれません。
30歳(勤続8年、扶養なし)では、6月・12月にボーナスとしてそれぞれ62万円ずつ支給されます。
40歳(勤続18年、妻と子1人を扶養)では、6月・12月にボーナスとしてそれぞれ81万円ずつ支給されます。
福岡市役所の初任給のまとめ
福岡市役所の初任給は、かなり特徴の少ない、一般的な市役所の給与体系になっています。まさに地方公務員の給与のお手本です(笑)。
福岡市内の住みやすさは抜群です。私が以前に勤めていた会社でも、福岡支店に転勤になった従業員が、現地でマイホームを購入するケースが数多くありました。
住みやすさ抜群の町、それが福岡です。大手企業に比べますと、給与やボーナスは下がってしまいますが、普通に暮らしていくには十分な金額だと思います。福岡市役所に転職をするかどうかの判断材料の一つにしていただければと思います。
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