アクセス数が多い記事

　[up]公務員の給料と年収

　[up]人材紹介で団体職員になる

さいたま市役所の初任給の支給モデル

さいたま市役所の民間経験者採用の初任給について、市役所発行の「採用試験受験案内」を基に解説します。大卒モデルで明記されているのは、次の２パターンのみです。情報が少ない（笑）。

２８歳（勤続　６年）　246,905円
３３歳（勤続１１年）　282,095円

これは基本給に地域手当を加えた合計額です。

地域手当とは、基本給に一律１５％加算される手当のことです。全員に加算されます。さいたま市の物価の高さを反映して、かなり高い金額に設定されています。それが地域手当の特徴です。

もともと基本給に含めればいい気がするのですが、公務員の給与の特徴として、あえて地域手当として切り分けて支給します。

２８歳（勤続６年）のケースで説明しますと、基本給は214,700円、地域手当は32,205円で、合計が246,905円になるわけです。

参考記事

市役所の中途採用の初任給は、今まで民間会社で働いた年数が反映されたうえで算出されます。
・　中途採用の初任給

このほかに支払われる給料がある

採用試験受験案内 によりますと、さいたま市では、この金額に固定的給与として扶養手当、住居手当、通勤手当、特殊勤務手当が加算されます。

特殊勤務手当・・・。意味の分からない手当が登場しましたね（笑）。給与条例を見ながら、それぞれの手当の金額の支給要件を解説していきましょう。

と思ったら、特殊勤務手当は給与条例では不明なままでしたので、「特殊勤務手当に関する条例施行規則」を確認しました。難易度高し・・・（笑）。

基本的には、危険、不快、不健康な仕事をする人に支給されるものです。具体的には、葬祭業務、清掃業務、特殊車両運転業務など、現業職の職務内容がほとんどです。

正直、試験採用の職員にはほとんど関係ない手当です。これを採用試験受験案内にあえて記載するさいたま市役所のセンスって・・・。

一応、配属によっては関係がありそうなものもわずかにありました。

・税務で差押えなど滞納処分：１日、200円～600円
・用地取得交渉で外勤:１日310円
・ケースワーカー：１日350円

少数ですが、このような職場に配属される人もいます。ケースワーカーなら１月２０日勤務として、7,000円にお手当にはなります。

気を取り直して、次に扶養手当です。

配偶者を扶養する場合、13,500円です。夫婦共働きの場合は、扶養していませんので支給されません。また、子供につきましては、１人に付き6,500円です。

よくあるパターンの逆です。普通は配偶者が安くて、子供が高いパターンですが、さいたま市役所はあえて逆をいっています。専業主婦優遇の制度になっています。ちょっと古い感じの感覚ですね。

支給水準は高いほうです。

次に住居手当についてです。

賃貸物件に住んでいる場合、27,000円を上限として家賃の半額を支給しています。持ち家を購入していたり、親元に同居している場合には支給されませんのでご注意ください。

通勤手当は、電車・バスの定期券代が支給されます。実費が支給されるものです。

整理しますと、大卒２８歳（勤続６年、扶養なし、賃貸住宅）の場合、給料は「２７万円」になります。手取りでは「２１～２３万円」です。

大卒３３歳（勤続１１年、妻と子１人を扶養、賃貸住宅）の場合、給料は「３３万円」になります。手取りでは「２５．５～２６．５万円」です。

毎月固定的に支給されるものはこれで全てになります。扶養手当と住居手当の支給水準が高いため、３３歳でもまずまずの支給額になります。

このほかに変動的なものとして、時間外勤務手当が支給されます。いわゆる残業代です。

転職するにあたって、ワーク・ライフ・バランスがしっかりできているかは重要な条件になります。市役所の場合、多くの職場では子育てや趣味に没頭できるくらい自由な時間が多いです。

しかし、それをカバーするために一部の部署の職員が過労死基準を超えて毎月残業しています。私の最大記録は１箇月で１８０時間の残業でした。笑うほどでしょ（笑）。

忙しい職場では残業代が増えますし、暇な部署ではほとんどもらえません。０円の部署もあります。そういう同期もいます。個人的にはうらやましい。

配属先や人事異動は自分の希望ではどうにもなりません。残業代をあてにするのは危険ですので注意が必要です。

ボーナスの支給水準

採用試験案内によりますと、期末・勤勉手当が支給されます。いわゆるボーナスのことですが、金額は記載されていません。月数も記載されていません。不親切ですね（笑）。

一般的に市役所のボーナスは、年２回の支給で、６月に２．２箇月、１２月にも２．２箇月の合計４．４箇月になります。ボーナスの算定基礎は、基本給、地域手当、扶養手当の合計金額になります。住居手当は含まれません。

さいたま市役所もこれを同じと考えて問題ありません。不景気でも赤字でもボーナスは一定金額支給されます。逆に好景気になった場合でも、ボーナスはあまり増えません。大手企業に比べて、常に低位安定しています（笑）。

２８歳（勤続６年、扶養なし）では、６月・１２月にボーナスとしてそれぞれ５４万円ずつ支給されます。

３３歳（勤続１１年、妻と子１人を扶養）では、６月・１２月にボーナスとしてそれぞれ６６万円ずつ支給されます。

さいたま市役所の初任給のまとめ

さいたま市役所の初任給は、ほかの市役所と比較して、全体的に高いです。地域手当、扶養手当、住居手当ともに高水準です。

民間の大手企業から見れば安い水準です。少し物足りないです。しかし、普通に生活していく人にとっては十分な金額です。普通の金銭感覚があれば公務員に転職してもやっていけると思います。

参考記事

残業が多かったため、私が市役所に転職した初年度の年収は５４０万円でした。
・　公務員の給料と年収

シェアする

あわせて読みたい記事

関連記事