京都市役所の初任給の支給モデル
ここでは、公務員の給料について説明しながら、中途採用の初任給を具体的に明らかにしていきます。
市役所の給料というのは大手企業に比べて安いというイメージがあると思います。外資系の大企業から転職した人が給与明細を見て、「あれ?公務員って月給制じゃなくて、週給制だったかな?」と言ったという有名な笑い話があるほどです。
京都市役所の民間経験者採用の初任給について、市役所発行の「採用試験募集案内」を基に解説します。大卒モデルで明記されているのは、次の3パターンです。
27歳(勤続 5年) 243,760円
32歳(勤続10年) 273,350円
37歳(勤続15年) 296,010円
この金額は、 基本給+地域手当の合計金額と明記されています。京都市職員給与条例によりますと、地域手当として基本給が10%上乗せされて支給されています。
つまり、基本給221,600円+地域手当22,160円で、「243,760円」となるのです。
地域手当は全員に支給されます。それなら、初めから初任給に組み込んでおけばいいのにと思うでしょうが、公務員の給料体系への突っ込みはほどほどにしてスルーするのが吉です(笑)。
27歳で給料24万円ですので結構安月給です。これは支給額ですので、これだけでは手取りでは20万円を下回るくらいです。
このほかに支払われる給料がある
採用試験募集案内によりますと、京都市では、この金額に固定的給与として扶養手当、住居手当、通勤手当が加算されます。しかし、その金額については明記されていません。給与条例を見る必要があります。
まず、扶養手当についてです。
給与条例によりますと、配偶者を扶養している場合は6,500円、子供は1人に付き10,000円が支給されます。27歳のモデルで考えますと、妻を扶養していれば6,500円が加算される計算になります。
ただし、共働きで扶養していない場合は0円になるので注意が必要です。若い世代では共働きが多いですが、その場合、扶養手当は支給されません。
次に、住居手当についてです。
給与条例の記載はかなり複雑なのですが、要するに、賃貸物件に住んでいる人には家賃の半額を支給しますよ、ただし、上限27,000円ですよと書かれています。
親元に同居している人や持ち家を購入した人には支給されません。
その他、通勤手当については、実費支給型の手当ですので、電車やバスの定期券代が支給されます。特段、懐に入るものではありませんので無視して結構です。
整理しますと、大卒27歳(勤続5年、扶養なし、賃貸住宅)の場合、給料は「27万円」になります。手取りでは「21~23万円」です。
大卒32歳(勤続10年、妻と子1人を扶養、賃貸住宅)の場合、給料は「32万円」になります。手取りでは「25~26万円」です。
冷静に考えますと、大手企業よりは安い給与水準になってしまいます。
毎月固定的に支給されるものはこれで全てになります。このほかに変動的なものとして、時間外勤務手当が支給されます。いわゆる残業代です。
このほかに、残業時間に応じて時間外勤務手当が支給されます。残業手当です。残業手当は1時間当たり2,000円ほどです。
残業の量はどこの市役所であっても職場によってまちまちです。激務の職場に配属された場合、毎月50時間は残業するでしょうから、残業手当だけで100,000円に上ります。
暇な部署の場合、残業が全くなかったり、せいぜい5時間程度です。その場合、残業手当は0円~10,000円程度です。
ボーナスの支給水準
採用試験募集案内によりますと、期末・勤勉手当として年間4.4箇月のボーナスが支給されます。
公務員のボーナスは6月30日と12月10日の2回に分けて支給されます。6月に2.2箇月、12月にも2.2箇月の合計4.4箇月です。ボーナスの算定基礎は、基本給、地域手当、扶養手当の合計金額になります。住居手当は含まれません。
27歳(勤続5年、扶養なし)では、6月・12月にボーナスとしてそれぞれ54万円ずつ支給されます。
32歳(勤続10年、妻と子1人を扶養)では、6月・12月にボーナスとしてそれぞれ64万円ずつ支給されます。
京都市役所の初任給のまとめ
どうでしたか?大手企業に勤務している人にとっては、京都市役所の給料は少し物足りないものかもしれません。逆に非正規雇用や、中小企業に勤めている方にとっては、給料アップする内容だったかもしれません。
京都市役所の特徴としましては、賃貸物件に住んでいる人に支給される住居手当の金額が高額です。持ち家を購入する前の若者世代でも、金銭的にゆとりをもって生活できるかと思います。
給料の多い・少ないだけで転職先を決めるものではありませんが、職業選択の重要な要素であることは事実ですので、参考にしていただければと思います。
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