神戸市役所の初任給の支給モデル
神戸市役所の民間経験者採用の初任給について、市役所発行の「採用試験案内」を基に解説します。大卒モデルで明記されているのは、次の4パターンです。
28歳(勤続 6年) 247,600円
31歳(勤続 9年) 265,900円
34歳(勤続12年) 284,100円
37歳(勤続15年) 305,100円
これは基本給に地域手当を加えた合計額です。
地域手当とは、神戸市職員の給与に関する条例によりますと、基本給に一律12%加算される手当のことです。全員に加算されます。神戸市の物価の高さを反映して、少し高い金額に設定されています。それが地域手当の特徴です。
28歳(勤続6年)のケースで説明しますと、基本給は221,070円、地域手当は26,530円で、合計が247,600円になるわけです。
このほかに支払われる給料がある
採用試験案内によりますと、神戸市では、この金額に固定的給与として扶養手当、住居手当、通勤手当が加算されます。しかし、その金額については明記されていません。給与条例を見る必要があります。
まず、扶養手当についてです。
配偶者を扶養する場合、6,500円です。夫婦共働きの場合は、扶養していませんので支給されません。また、子供につきましては、1人に付き12,000円です。
扶養手当の水準としましては、結構高い方かと思います。
次に住居手当についてです。住居手当は給与条例にも記載されておらず、人事委員会規則を見る必要があります。調査の難易度が高い(笑)。
結論から言いますと、神戸市内の賃貸物件に住んでいる場合は19,000円、神戸市外の賃貸物件に住んでいる場合は15,000円が、それぞれ支給されます。
市内か市外かで金額に差を付けている理由は全くの謎ですが、とにかく賃貸物件に住んでいれば支給されます。親元に同居している人や持ち家を購入している人には支給されません。
近隣都市である芦屋市の方が高級住宅街ですので賃貸相場は高いと思うのですが、芦屋市に住んでいる場合は15,000円なのです。市役所の職員は市内に住むように誘導する政策なのでしょう。個人的には、そのような政策もありだとは思います。
通勤手当は、電車・バスの定期券代が支給されます。実費が支給されるものです。
整理しますと、大卒28歳(勤続6年、扶養なし、賃貸住宅)の場合、給料は「27万円」になります。手取りでは「21~23万円」です。
大卒34歳(勤続12年、妻と子1人を扶養、賃貸住宅)の場合、給料は「30万円」になります。手取りでは「23~24.5万円」です。
毎月固定的に支給されるものはこれで全てになります。このほかに変動的なものとして、時間外勤務手当が支給されます。いわゆる残業代です。
初任給の水準にもよるのですが、おおよその理解としまして、残業代の単価は1時間当たり2,000円となります。毎月20時間の残業をこなす場合は、残業代は40,000円となります。
これを加えますと、大手企業には及びませんが、まずまずの手取りの水準にはなります。しかし、市役所の仕事の特徴としまして、残業の有無が職場によってはっきりとしているということがあります。
残業が全くない職場は残業は0時間です。区役所など出先機関の窓口業務を中心にそういう職場は存在します。
反対に本庁の総務部門など、極めて多忙な職場もあります。毎月100時間の過労死基準を超える残業をする部署があるのです。
普通の頭で考えますと人員配置を見直せばいいだけのことだと思うのですが、市役所ではそうはいかないのです。
暇な部署では残業どころか勤務時間内の仕事もあまりありません。しかし、人員を減らそうとしますと、労働組合の激しい抵抗にあってしまいます。人数削減をするわけではなく、忙しい部署に人員を回そうとしているだけなのに、反対されるのです。
その結果、ゆるゆるの暇な職場がいつまでも存続するのです。それが公務員なのです(笑)。
残業代は自分ではコントロールすることができません。収入アップのために残業をしたいと思っても、仕事が全くないためできない部署も多々あります。転職する前から残業代はあてにしないことです。
ボーナスの支給水準
採用試験案内によりますと、期末・勤勉手当として年間4.4箇月のボーナスが支給されます。
年2回の支給ですので、6月に2.2箇月、12月にも2.2箇月の合計4.4箇月になります。ボーナスの算定基礎は、基本給、地域手当、扶養手当の合計金額になります。住居手当は含まれません。
28歳(勤続6年、扶養なし)では、6月・12月にボーナスとしてそれぞれ54万円ずつ支給されます。
34歳(勤続12年、妻と子1人を扶養)では、6月・12月にボーナスとしてそれぞれ67万円ずつ支給されます。
神戸市役所の初任給のまとめ
神戸市役所の初任給は、ほかの自治体よりも地域手当が若干高いのが特徴です。また、住居手当の金額が神戸市内に住むことでアップする特徴もあります。
給料もボーナスも大手企業に比べるとやや下がることになりますが、普通に生活する分には支障は全くないと思います。この金額を転職を目指すかどうかの判断材料にしていただければと思います。
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