中途採用で市役所の職員になる方法
公務員に転職したい場合、数多くある公務員の種類の中でも、地方公務員にターゲットを絞って、中途採用の試験を受験するのがいいと思います。地方公務員とは、いわゆる「市役所」の職員です。
地方公務員は、市町村ごとに全ていわゆる「別会社」ですので、当然ながら採用試験も別々に行っています。
それぞれ別会社とは、たとえば、千葉市役所と横浜市役所との関係は、ソニーとパナソニックとの関係と同じく、同業他社の別会社です。
当然ながら、給与や人事制度は、市役所ごとに異なっています。現実的な話としては、かなり似通った制度になっていますが、市役所ごとにそれぞれ制定されています。
採用試験も、千葉市と横浜市とで別々に行っていますので、試験日程が異なれば、両方の採用試験にそれぞれ申し込むことができます。
つまり、千葉市に落ちても横浜市に合格することもあるのです。併願してもばれることはありません。それぞれの市役所は受験生の情報共有はしていません。
最終的には1つの市役所で合格できれば十分ですが、それに向けて複数の市役所で面談試験の練習も兼ねて受験するのがよい方法です。
従来、市町村の採用試験は、高卒を対象とした「中級試験」と、大卒を対象とした「上級試験」のみでしたが、近年、多くの市役所で、社会人の転職枠として「民間経験者試験」が追加されました。
市役所の公務員になるには、何も特別な資格が必要なわけではありません。公務員試験に合格するだけでいいのです。
なお、よく耳にする「地方上級」とは、地方公務員として、各市町村に勤務する人で「上級試験」に合格して採用された人を指しています。
民間経験者採用の試験日程はバラバラで併願できる
大卒レベルの上級試験では、都道府県と政令指定都市は全部同じ日程で筆記試験を実施するため、併願はできません。併願者が多いと合格時の辞退者が増えてしまい、採用計画を立てづらいため、あえて、試験日程をぶつけているのです。
日本には多数の市があり、近年、その多くの市で「民間経験者試験」を実施しています。
民間経験者試験では、筆記試験の日程は各都市でバラバラであることが多いです。合格できるかは別の問題として、手当たり次第受験した場合、かなり多数の市役所を受験できます。
しかしながら、手当たり次第、受験はできますが、現実的には、勝負になるのは、せいぜい今住んでいる都市や生まれ育った地元、その他学生時代を過ごしたなど何らかの地縁のある市役所だけです。
「この町に始めて来ました。手当たり次第、どこの市役所でもよかったんです。」などというスタンスの人が合格できないのは、御理解いただけるかと思います。
しかし、筆記や面接試験の練習にはなりますので、複数の市役所を受験する価値はあります。私は、割と色々な市役所を受験しましたが、結局、第一志望の地元の市役所に合格しました。
経験者採用試験の日程は、各市役所のホームページで発表されています。私は、地道に各市町村の公式ホームページで職員募集の情報を確認していました。
ホームページを見ますと、トップページに採用情報のページがたいていあります。そこで今年度の募集要項を確認できます。
今年度の募集計画がまだ公表されていない場合は、前年度の試験実績を確認します。毎年、同じような日程で実施されますので、昨年の日程を確認しておいて、時期が近づいてくれば改めて確認することです。
公務員から公務員へも転職できる
私の合格した市役所の試験の募集要件は、民間企業「等」に5年以上勤務した経験のある人でした。民間企業「等」とは、注釈で、自営業も含み、また公務員も含むとのことでした。
数年前にチェックした際には、公務員は除外されていましたので、近年、条件が緩和され、公務員の経験でもよいとなったわけです。
以前は、公務員から公務員への転職者はほとんど合格していませんでした。
私の同期・先輩・後輩の中に一部いるのは、東京電力やNTTレベルの超大手企業から、一旦、別の市役所に転職し、そこで1年だけ勤務したのちに、今の市役所に再度転職してきた人が数人いる程度です。
この人については、公務員の経験は1年だけでしたので、民間での5年の経験を買っての採用なのだと思います。
つまり、募集要件では公務員も広く募集しますよ、とはうたっているものの、実際には、公務員から公務員に転職してきた人は数が少なかったのです。
民間の活力を導入しようという趣旨ですので、公務員を採用するとなると趣旨が違ってくると個人的には思っていますので、当然のことだと思いました。
しかし、最近では市役所から市役所に転職してくる職員や、国家公務員から地方公務員に転職してくる職員がチラホラいるのです。
志望動機さえしっかりしていれば合格できますよ
中途採用として経験者採用が一般的になってきて、門戸が広く開かれたようです。市役所の職員は転勤がありませんので、地元に愛着がある方がUターンで転職する例が増えてきています。
上級職として転職する方法もある
私の市役所では上級職の年齢制限は28歳です。国土交通省や厚生労働省の中央省庁やその出先機関に就職し、数年後に上級職として転職してくる若者は例年1人くらいは後輩として入庁してきています。
後輩が言うには、「市民に近いところで仕事がしたかった」とのことです。
このように、近年では、国家公務員から地方公務員に転職を希望している若者も多くいます。民間経験者枠での転職だけではなく、希望する人は早めの決断さえできれば、年齢制限に引っかかる前に市役所に転職できるのです。
むしろ、国家公務員に合格しているくらいですので、公務員試験の勉強も長時間しており、市役所の試験に合格するのも割と簡単だったそうです。
早めに決断して上級職で試験にチャレンジする方法もありますし、5年以上じっくりと国家公務員として職務経験を積んだ後に社会人として転職試験を受験する方法もあるのです。
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