過労死基準を超えて長時間残業した経験
私の長時間労働者でした。民間企業の時代の最長時間は月間165時間です。過労死基準の100時間を大きく超えた時間数です。もちろん毎月こういう感じではなく、残業の波はありましたが、いわゆる「残業を頼みやすい人」でした。
そして、自由な時間を求めて市役所に転職しましたが、1年目に経験した最長残業時間は月間180時間でした。まさか民間会社の記録を1年目で超えてくるとは自分でも驚きでした。
とにかく仕事が多すぎて終わらない。転職初年度でしたので、相談された仕事は全て「調べます」と答えていました。
怠け者が多い公務員の中では、こういう人は重宝がられます。つまり、誰の仕事かはっきりしないような雑務をことごとく押し付けられます。それでも市役所の仕事の勉強のために、全て調べてこなしていました。
中には、確実に自分の仕事なのに、だまして私に押し付ける職員もいました。当然、昨年の資料はその人がこっそり持ったまま隠していますので、私は過去の資料なしで一から書類を作り上げるという不毛な仕事もしていました。
20代から30代の最初に掛けて、このような仕事人生を送ってきましたが、途中で悔い改めて、今では残業をしない方向に大きく舵を切りました。
仕事で承認欲求を満たしても意味がない
そもそも私は残業が嫌いです。残業をせずに残業代が減っても何の問題もありません。その方が嬉しいです。私の価値観で最も大切なのは「時間」です。「お金」には興味がありません。特段浪費もしませんし、貯金もありますので、お金にこだわりがないのです。
私は上司や同僚に認められたいという一心で、仕事に邁進してきました。承認欲求です。人一倍、承認欲求が強いのかもしれません。期待はずれと思われないために、自分の時間を犠牲にしてきたのです。
しかし、考え方を変えました。たかが仕事です。仕事など、金を稼ぐためだけの労働です。労働で認められるかどうかなど、人生で重要ではありません。労働以外の自分の人生の中で趣味や地域貢献で認められる方が重要なのです。
たかが仕事で、会社のために頑張って承認欲求を満たす必要はありません。そもそも周りに便利使いされていただけで、承認されていたのかどうかも分かりません。
会社人間ほど、実は会社には必要とされていないという笑い話があります。そんな人生では悲しすぎます(笑)。
帰りづらい雰囲気がある職場の場合
残業には2種類あります。職場の雰囲気で帰りづらい場合と、自分の仕事が多すぎて終わらない場合です。
まず、雰囲気が悪い場合です。
精神論ですが、たかが仕事という考え方を心の中で念じることがとても重要です。真のワークライフバランスで働き方改革を進めている時代です。そんな不毛な職場では新入社員は定着しません。自分から率先して職場の雰囲気を変えていくことです。
職場では残業自慢をしてはいけません。私が180時間の残業をした経験はもはや職場では話していません。武勇伝として、つい口にしてしまいそうになりますが、言わないのです。そういう普段のたわいもない会話が職場を残業体質にするのです。帰りにくくなってしまいます。
また、付き合い残業は無駄です。この上なく無駄です。無駄の極地です(笑)。課長がまだ働いているから帰りづらい、同僚が忙しくしているから、など普通にあります。
ヨーロッパの労働環境の名言で、「自分の権利を捨てる人は他人の権利も侵害する」というものがあります。
付き合い残業で自分の時間を捨てるのは、一見自分の権利を捨てているだけのようです。しかし、そうすることによって、周囲の人も帰りにくくしているのです。他人の権利も侵害しているのです。チキンレースです。
こういう場合、付き合いで居残りする必要がありません。なぜなら自分の仕事は終わっているからです。当たり前です(笑)。働き方改革の時代です。できる課長なら、「先に帰っていいよ」の一言くらい言いそうなものです。それが言えない課長なら、たいしたことがないので、やはり放っておいて先に帰宅するのが得策です。
大事なのはそういうタイプの人だと、周囲の社員に認識させることです。どのような職場にも空気を読まずに早く帰る人がいます。慣れてくると回りの人も何も感じなくなります。そう思ってもらうことです。
帰りの通勤電車のラッシュのピークの時間をご存知でしょうか?午後7時?8時?いえいえ、6時前後が最も混雑しているのです。世の中の多くの人は残業をしていないのです。自分の残業を減らすには、そのことを認識する必要があります。
自分の仕事が終わらない場合
残業せずにすぐ帰宅する人だと周りの人に思わせておけば、過剰な仕事が集中することはありません。しかし、それでも仕事が多すぎて終わらないことがあります。
私が心がけている時短テクニックをご紹介します。
まず、過剰品質に拘らないことです。仕事のアウトプットの際、書きぶりやレイアウトなど、拘りだすと時間ばっかり掛かってしまいます。現在、私は基本的に「分かればいい」のスタンスで仕事を進めています。
書きぶりだけではなく、バックデータや過去の経過なども必要かどうかを精査しています。この仕事の結果を出すに当たって、どこまでのものが求められるのかをまず判断します。不要なデータは調べません。指示が微妙で、深堀りの度合いが分からないケースでは、すぐに上司に確認に行きます。
上司に褒められようとすると、往々にして過剰品質になってしまいます。ここで心がけていただきたいのは、分かればいいの精神です。
次に、自分でボールを持ったままにしないことです。私は、すぐに調べて結果を出して、相手にボールを返すようにしています。
嫌な仕事であったり、面倒な調整が必要な仕事というのは、ついつい後回しにしがちです。私もそうでした。
しかし、残業をしないコツはそうしないことなのです。自分で抱え込んでしまって、事態が好転することはありません。一瞬嫌な思いをしても我慢して、さっさと片付けてしまって、回答を返すことで仕事が早く回るのです。
このようにどんどん結果を出していって、自分の仕事に自信が持てると、残業せずに帰宅しても後ろめたい気持ちは一切なくなります。
私も昔は長時間労働体質でしたが、考えを改めて、早く帰宅するように自分を変えました。決して仕事で手を抜いているわけではなく、成果には自信を持った状態をキープしています。成果に自信があると早く帰れるのです。
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