択一式は前から順番に解く
択一式試験、つまりマークシートは、時事問題や数的推理、国語、英語など、様々な問題が出題されます。
大学入試やセンター試験では、国語の時間は国語だけ、数学は数学だけとジャンルが試験時間ごとに区切られていましたが、公務員試験では択一式試験トータルとして時間が設定されています。
京都市の例で言いますと、全40問で、時間は2時間です。
皆さんは人によって得意分野と苦手分野がそれぞれあるかと思います。ちょっと考えると、得意分野から解き始めていこうと思うかもしれません。
しかし、意外とこれが上手くいかないのです。まず、勉強時間がはやり不足気味ですので、完璧に分かるような得意ジャンルが確立していません。
その中で無理に優先順位を付けていこうとすると、時間のロスになるだけです。ここは素直に最初の問題から順番に解いていくことをお薦めします。
例えば、20問目から解き始めた場合、マークシートの記入位置を間違うことがよくあるのです。
はじめは注意深く20問目からマークしていったとしても、30問目まで解き終えた後、5問目に戻って解き始めたにも関わらず、マークシートはそのまま続きをチェックしてしまうことがあるのです。
こうなると致命的です。どれがどこをマークしたのか分からなくなって、一から再チェックする必要があります。
同様のケースで、分からない問題を1問飛ばした場合も、次の解答を1つ飛ばさず、続きにマークしていってしまうミスもありがちです。
そんな馬鹿なと思うかもしれませんが、数的推理などで時間を掛けて考えているうちに、そのことを忘れてしまうのです。
基本的に、普通に解いていった場合、試験時間が足りないような事態にはなりませんので、最後の方の得意なジャンルが手付かずで終わってしまうようなケースはありません。
再検討する問題にはチェックをつけておく
そうは言っても、時間に余裕がある訳ではありません。どちらかと言いますと、常に時計を意識してペース配分を考えながら解答していくことになります。
そのため、後でじっくり時間を掛けて再検討したい問題があった場合、問題用紙に☆印などを付けておいて、見返すときにすぐに分かるようにしておくのがいいです。
大学受験のときのように、模擬試験や腕試しの受験を重ねてきているわけではありません。試験にほぼぶっつけ本番で臨む場合もあります。
事前にこういう使える小ネタやテクニックを色々と知っておくと有利になります。というか、自爆することだけはなくなります。
終わった後に知り合いと答え合わせはしない
一緒に受験した場合や偶然鉢合わせをした場合などで、試験会場に知り合いがいる場合、択一式試験が終わった後に、答え合わせの会話を「しない」ことが重要です。
既に問題も回収されていますので、不確かな中での答え合わせになってしまいます。仮に自分の答えが正解の場合でも、相手が自信満々で間違ったことを言ってくると、自信が揺らぎます。
あまり知られていませんが、試験問題は回収されるのです。どういう問題に自分がどう解答したのかは、もはや正確には分からなくなります。
不確かな情報の中で、不確かな答え合わせをすると不安になるだけです。何より、時間の無駄です。少しでも、午後の論文のおさらいをしておく方が有益です。
一般論文はいきなり書き始めない
択一式試験とはうって変わって、時間が余ります。かなり余裕です。熊本県の事例では、時間は1時間30分ですが、普通に書くと、その半分くらいの時間で書き上げることができます。
ここでのコツは、いきなり思いつくままに書き始めないことです。論文の構成を推敲する時間は十分になります。
いきなり書き始めて、途中から調子が上ってきて、もっとよい構成が見えてくることはよくあります。
仕事で作成するワードの文章でしたら、まず書き始めて、後になって途中にどんどん文書を挿入していったり、表現を変更したりして、ブラッシュアップすることは普通です。
しかし、試験は手書きの論文なのです。いつもの仕事脳とはちょっと別の手順で仕上げていく必要があります。
まず、問題用紙の余白を使って、大まかな構成を決めて、何回かよく考えて、結末までの流れを把握することです。その後で書き出しても十分に間に合います。
職務論文は準備してきた文章を書くだけ
職務経験論文は、試験日までに練習に練習を重ねてきたと思います。お題は決まりきっていて、今までの職務で困難だったこと、それを乗り越えたことを書くだけです。
文章の推敲は十分にしてきた後ですので、いきなり書き始めても差し支えありません。念のため、構成を間違えないように、頭の中で一度全容を思い返してから書き始めると更によいです。
文字数を増やす場合、減らす場合
一度書き上げた論文を見返していると、表現を修正したくなることがあります。しかし、文字数の問題があります。解答用紙は原稿用紙ですので、1文字ずつ区切られているのです。
例えば、「全力で」という表現を「汗を流して」に変えたい場合、文字数が2文字増えてしまいます。逆の場合、2文字減ってしまいます。
原稿用紙のマス目に合わなくなります。この場合の対処方法は、試験会場では特段説明されませんが、ある程度、融通が認められています。
2文字増えた場合、欄外の余白に書いたり、1マスに2文字書いたりしてもいいのです。減った場合は空白のマスにしておけばいいのです。
全体の文字数の制限は決められていますので、もし2文字分を余分に使った場合、当然ながら最後の2マスは空けておきます。そうして、トータルで文字数オーバーになることを防ぎます。
句読点も1マス使う
「。」や「、」の句読点も1文字と考えます。1マス使います。そして、ここで必ず行き詰る悩みにぶち当たります。
基本的に原稿用紙は横書きです。その右端に「。」や「、」の句読点がきた場合、改行してそれも1マスに収める必要があるのか迷うのです。
これは、右端の欄外に記入して問題ありません。日本語の文章の常識として、行の先頭に句読点がくることはないためです。
論文試験と言っても、文章のルールは常識に照らして考えればよいのです。
試験が終わる前に途中退場はしない
論文試験は時間が余ります。30分など、かなりまとまった時間があまります。そして、ほとんどの市役所で、終了時間前でも早く退出できるようになっています。
早く退出すれば、そのまま帰宅できます。せっかくの日曜日ですので、つらい試験を早めに終えて退出したい気持ちは分かります。
しかし、早期退場はしない方が得策です。人生を掛けた試験ですので、私は最後の1分まで誤字脱字のチェックをしていました。少しでも合格の可能性を高めたかったからです。
なお、私の経験では、ほかの多くの受験生がどんどん帰宅していっており、最後まで残って論文とにらめっこしているのは全体の半分にも満たない人数でした。
そういう状況でも最後まで残った方がいいと私は信じています。執念です。
試験中にトイレには行ける
特段説明はありませんが、一般的に試験中にトイレに行くことはできます。手を挙げて試験官にそう伝えると一緒に行ってくれます。不正防止のため、一人では行かせてくれません。
ただし、トイレに行くと時間のロスになりますし、そもそも座席が3人掛けの真ん中の場合、横の人に気を使って、なかなか行けないものです。事前に済ましておくのがよいです。
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