係長が事務所の鍵の開け閉めをする
そんなこんなで、私の事務所では係員を子ども扱いしています。まず、庁舎の鍵を持たせていません。朝、一番に鍵を持っている係長が出勤してきて鍵を開けるのです。
係員は「係長は朝早くやってきて係員を出迎えるものだ」と本気で思っているのです。民間企業だったら真逆なのですが、基本的に、仕事をしてやっているというスタンスなので、そうなってしまうのです。
そして、退庁時も係員が全員帰るのを見送ってから、最後に係長が鍵を閉めるという段取りです。
係員が残って仕事をしている時は、係長は先に帰ることはありません。部下が残っているのに、何で上司が先に帰るのだ!?と本気で揉め事になってしまいます。
民間での常識とは真逆ですので、未だに慣れることはできませんが、長年続いてきた慣習に1人で抵抗するのは無理ですので、そのまま受け入れています。
仲が悪いペアがたくさんいる
事務所の仕事は現場回りです。2人1組になって行く局面も数多くあります。その際、仲たがいしているペアが複数いるのです。
山田さんと高木さんは仲が悪いので別のペアにする。山口さんと高橋さんも・・・など、変な制約が多すぎて、シンプルに各人のスキルや得意分野だけで班分けができないのです。
普通にサラリーマンをしていましたら、職場に嫌いな人間の1人や2人はいるでしょう。それが普通です。
しかし、公務員の中でも出先機関に配属されている人達の常識のなさは突出しているのです。
嫌いな奴とは挨拶もしない、目も合わさない、向こうで楽しそうにしているのが見えると舌打ちをするなど、職場の運営に支障をきたすようなことばかりするのです。
もう皆、50歳を越えたいい大人なのだから、仕事は仕事として、上手に振舞ってほしいものです。
自分たちが最前線と勘違いしている
事務所は市役所の出先機関ですので、本庁が何でも面倒を見てくれます。市内で大規模な事故や停電が起こった場合、事務所の職員も超勤対応で広報活動などに携わります。
これがすごく楽チンなのです。
広報に周る地図やら、メッセージが録音されたSDチップやら、班分けやら、面倒な仕事は全て本庁がしてくれます。事務所の職員は、上げ膳据え膳で、ただ現場に行くだけなのです。
「事務所は市民応対の最前線!」と、呪文のように係員は常々言っていますが、本当はただの人形なのです。
最前線として現場を周ったという心地よい満足感だけを与えてもらって、面倒な仕込みの業務は見ない振りなのです。本当に楽チンです。
現場を周る時間は公用車でせいぜい1時間程度で、ほとんどの時間は事務所の待機部屋で寝転がって、おやつを食べながらワイワイやって過ごしています。事故対応というよりお祭り気分です。
本庁の偉いさんは、事務所の職員をおべんちゃらで常に持ち上げてくれますので、「事務所のご協力のおかげで、何とか解決できました」くらいのことは言ってくれます。
私から見れば、真実は真逆で、本庁の下準備のおかげでスムーズに事故対応が完了したのです。本当は、事務所の職員が本庁に感謝しなければならないのです。
しかしながら、多くの事務所の係員はそういうことが分からない人達なので、「自分達の活躍によって解決した」くらいには思ってしまいます。そして自分達こそ、最前線なんだと勘違いをしてしまうのです。
謎の職長手当がある
出先機関の特有の手当として職長手当というものがありました。これは係員のうちリーダー格の人を職長にして、手当て支給するというものです。
本庁には存在しない手当で、現場の職員にだけ付く手当です。その時点で謎の手当です。
「ありました」という表現は、公務員厚遇の批判の流れに乗って、既に廃止されたからです。普通に仕事をしているだけなので、特段、何も手当を付けなくてもいいかと思います。私自身もそう思います。
しかし、廃止されて、めでたしめでたしではないのです。
廃止とは世を欺く仮の姿。職長手当という名称がなくなっただけで、手当は別の形で復活しているのです。
世間のご批判のとおり、確かに職長手当は廃止しました。広報発表でもそう周知しています。
しかし、しかしです。職長になった係員の給料自体を特別昇給させる形で、同じ水準だけかさ上げしているのです。給料自体をアップしていますが、確かに手当はなくなりましたと。一休さんのトンチか!という話ですが、現実のお話なのです。
労働組合は出先職員だけの味方ですので、こういう意味不明な制度をごり押ししたのです。広報発表が全て正しいとは限りません。よい社会勉強になりました。
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