中型バイクを導入してくれとごねる
事務所の係員の仕事は現場仕事です。現場を周ってなんぼの仕事です。軽自動車か50ccの原付バイクのどちらかで回ります。
個人的には軽自動車の方が体は楽だと思いますが、市街地では狭い道も多く、軽自動車では駐車スペースに困ることもあり、原付バイクも大いに活用しています。
だいたいの係員は機嫌よく現場に出て行くのですが、ある日、1人の係員がごねだしたのです。曰く、「現場まで遠いのに、原付バイクで行くのは危ない」と。
係長としましては、バイクでなくとも車で行ってもらったらいいわけで、当然のようにそう伝えました。
しかし、事態はそう簡単にはいかなかったのです。曰く、「狭い道が多くて、自動車では無理だ」と。
昨日まで、自動車かバイクで現場に走ってくれていたのに、急に何を言い出すのだと思いました。一休さんですか?一休さん的なトンチの答えを求めているのですか?
それ以降は、2時間も3時間も要望の聞き取りです。結局、中型バイクを導入してほしいということでした。確かに原付バイクでは制限速度は30kmです。中型バイクなら颯爽と走れるでしょう。
しかし、いくら私が係長だと言っても、何の力もありませんので、新たな車両を導入させる権限がありません。
車両の所管をしている部署に掛け合おうにも、軽自動車も原付バイクもあるのに、なぜ、わざわざ、免許の保持者が少ない中型バイクを導入するのか説明が付きません。
原付バイクなら普通自動車の免許を持っている職員だったら誰でも乗れますので、非常に合理的だと思います。そこを曲げて、「爽快だから」だけでは理屈が無理です。
というか、私の事務所では中型バイクの免許を持っているのはその係員1人だけですので、ほぼ専用車になってしまいます。人事異動があったらどうするつもりなのでしょうか。
それからというもの、導入できるわけがないのに、不毛な話し合いが続いてくたびれました。
トナーがなくなったと休日に電話を掛けてくる
事務所の係員は雑用をほぼしてくれません。ゴミを拾うのも係長頼り、切れた蛍光灯を変えるのも係長頼り、頼んだ弁当のつり銭の計算が合わないのも係長頼りと、大学を出た社会人とは思えない振る舞いです。
マシな係員は、係長が1回してあげたら、備品の置き場所も覚えて、自分でしてくれる場合もあります。しかし、ダメ係員は心底ダメなのです。
ある時、係員だけで日曜日に休日出勤する日があって、普段は事務所の鍵開けすらもしないのに大丈夫かと心配したことがありました。
鍵は一番しっかりした人に預けて開けてもらうことにしました。赤ん坊みたいな人達なので、係長としては気になります。月曜日になって、クレームを言われたらたまったものではありません。
結果、その心配は間違っていて、月曜日ではなく、その日の昼頃には私のスマホにクレームの電話が掛かってきました。コピー機のトナーが切れたと。
トナーが切れたと言って、その係員もギャンギャンに切れているのです。切れたのなら、自分たちで新しいものに入れ替えたらいいだけの話です。
しかし、その係員は真剣に怒っていて、「係員だけで休日出勤することが分かっていただから、金曜日のうちに係長がトナーを新しいものに変えておくべき」と言っていました。
冗談みたいな話でしょう。しかし、本気なのです。本気の怒りなのです。
その人の怒りを知るとその人の価値観が分かると、昔の偉い人は言っていました。私はこの一件で、事務所の係員のレベルの底を見た気がしました。
シンプルに、エクセルが使えない
事務所の係員の高齢化は凄まじく、50歳でようやく中堅どころです。当然ながら、パソコンが苦手な職員が多く、係長として同じことを何回も教えることになります。
エクセルとかになると、かなり厳しくなります。「共有フォルダに作業日誌のエクセルファイルがあるので、それに各自入力していくこと」という指示がありました。
共有フォルダのファイルをいちいち開くのは面倒くさいので、デスクトップにショートカットを作りましょうとなります。
まず、ここで躓きます。ショートカットの作成とコピーの作成の違いが分からない。「いやこれ、前にも説明したやろ」って思いが頭をよぎりますが、係員はとにかくメモを取らない人達なので覚えられないのです。
同じことを2回質問しなくていいようにメモを取れと教育されてこなかったのかと小一時間説教したいところですが、いかんせん全員年上の方ばっかりなので、私も優しくもう1回教えます。
そして、「ノートに書いておいたらいいと思いますよ」と優しくアドバイスするのですが、書きません。そうなると、これ以上言っても、馬鹿に馬鹿と言っているような状況になってしまいますので、こちらも引き下がります。
これでようやくエクセルを開きます。すると、シートが3つあります。これに気付きません。逆に、シートが3つもあるような複雑なファイルを作るなよと、作った人に文句も言いたくなります。
出先機関の公務員のエクセルスキルを過信するなよと。おじいちゃんレベルやでと。
ここでも、「シートが複数あるので、まず、ここのシートをクリックしましょう」と優しく教えます。ここでもメモを取りません。
行が足りなくなったら追加するとか、特定の場合にはセルの色を黄色に変えるとか、もうパニックです。
覚えきれる訳がありません。事務所の係員は記憶の範囲内で仕事をします。覚えきれないことは、係長に聞けばいいと認識しています。何回、同じことを聞いても恥ずかしくないのです。
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