横浜市役所の初任給の支給モデル
横浜市役所の民間経験者採用の初任給について、市役所発行の「採用試験受験案内」を基に解説します。大卒モデルで明記されているのは、次の3パターンです。
32歳(勤続6年+青年海外協力隊2年+無職2年) 256,244円
32歳(勤続10年) 261,116円
40歳(勤続18年) 302,528円
1つ目のモデルの癖がすごい(笑)。
民間企業に6年勤めていたけれども、海外で活躍する夢が捨てきれず会社を辞めて青年海外協力隊に応募。2年間の活動を終え帰国するも結局は無職。一念発起して市役所の採用試験に応募した人です。
そんな人、ほぼいませんけど(笑)。
そんなモデルの記載はある割に、20代後半、勤続5年で転職する人のモデルはありません。そっちの方が需要があると思うのですが。
仕方がないので、32歳モデルと40歳モデルから割り出したところ、27歳(勤続5年)では235,234円でした。公務員の給料は年功序列で増えていくだけなので、結構簡単に算出できるのです。参考にしてください。
また、これらの金額は基本給に地域手当を加えた合計額です。
地域手当とは、横浜市一般職職員の給与に関する条例によりますと、基本給に一律16%加算される手当のことです。全員に加算されます。
さすが横浜市!物価が高く、生活費用がかさむため16%の上乗せです。
32歳(勤続10年)のケースで説明しますと、基本給は225,100円、地域手当は36,016円で、合計が261,116円になるわけです。
このほかに支払われる給料がある
採用試験受験案内によりますと、横浜市では、この金額に固定的給与として住居手当、通勤手当などが加算されます。
「など」ってなんでしょう?なんかもやもやします(笑)。金額も明記されていません。そこで、給与条例を見て調査しました。
その結果、「など」に含まれるものは、扶養手当でした。順番に説明していきます。
まず、扶養手当についてです。
配偶者を扶養する場合、6,500円です。夫婦共働きの場合は、扶養していませんので支給されません。また、子供につきましては、1人に付き10,000円です。
結構な金額ですので、なぜ採用試験受験案内に明記していないのか謎です。
次に住居手当についてです。
賃貸物件に住んでいる40歳までの人に19,600円が支給されます。親元に同居している人や持ち家を購入した人には支給されません。
また、賃貸物件でも40歳を超えると支給されなくなります。40代になったら普通は自宅を購入するだろうという考え方です。
若者を優遇していて、個人的にはこういう制度には好感が持てます。
通勤手当は、電車・バスの定期券代が支給されます。実費が支給されるものです。
整理しますと、大卒27歳(勤続5年、扶養なし、賃貸住宅)の場合、給料は「25万円」になります。手取りでは「19~21万円」です。
27歳の給料にしては、結構安い水準だと思います。採用試験受験案内に明記されていなかった理由はそのためだったのかと勘ぐってしまいます。
大卒32歳(勤続10年、妻と子1人を扶養、賃貸住宅)の場合、給料は「30万円」になります。手取りでは「23~24.5万円」です。
毎月固定的に支給されるものはこれで全てになります。このほかに変動的なものとして、時間外勤務手当が支給されます。いわゆる残業代です。
最短である27歳で横浜市役所に転職した場合、当面は手取りの少なさに苦労すると思います。それを補うのが残業代です。
市役所の残業時間は職場によってまちまちです。本庁部門では過労死ラインを超える長時間残業もあります。1時間当たりの単価は2,000円程度です。100時間残業すればそれだけで20万円です。
反対に残業が全くない部署も多くあります。当然、残業代は0円です。ワーク・ライフ・バランスとして理想的な職場ですが、残業代を稼ぎたい人にとってはつらい職場になります。
市役所での配属や人事異動は自分の思いどおりにはなりません。バリバリ深夜まで働きたいと思っていても、仕事がない部署に配属されることもあります。
残業代は自分でコントロールできませんので、あてにはしないことです。
ボーナスの支給水準
採用試験受験案内には、いわゆるボーナスについては全く記載されていません。しかし、安心してください。ボーナスが支給されない政令指定都市なんてありません。きっちり支給されます。というか、この採用試験受験案内には情報操作の臭いがプンプンします(笑)。
基本的に他都市と同じで、年2回の支給で、6月に2.2箇月、12月にも2.2箇月の合計4.4箇月と考えておけば、おおよそ正解です。
27歳(勤続5年、扶養なし)では、6月・12月にボーナスとしてそれぞれ52万円ずつ支給されます。
32歳(勤続10年、妻と子1人を扶養)では、6月・12月にボーナスとしてそれぞれ70万円ずつ支給されます。
横浜市役所の初任給のまとめ
横浜市役所の初任給は結構ベールに包まれていましたが、地域手当が高いのが特徴です。また、住居手当が年齢によって区分されていて、若手に大きな金額を支給してくれるのも特徴です。
首都圏の市役所ですので、東京勤務の人にとっては身近な転職先として選択肢に入ってくると思います。給料水準も参考にして転職活動の参考にしてください。
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