中途採用の初任給

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給料や年収の交渉はできない

私の転職1年目(およそ30歳)の実績は、年収540万ほどでした。これは、残業手当やボーナスなど、諸手当を全て含んだ総支給額です。手取りではなく、源泉徴収票に記載されているあの総支給額です。

転職うさぎ
やっぱり手取り30万円は欲しいよな~
家には嫁と子供もいるし
面接官かめ
正直、転職前より下ると思いますよ

転職するうえで、給料や年収がどのくらいになるのか、どれくらい減るのか(笑)は重要な問題です。同年齢の上級職(大卒で入庁した職員)との比較も気になる点かと思います。

しかし、自分の初任給や年収がいくらになるのか、採用試験に応募した時点や面接の段階では明らかにされません。正確な年収は不明なまま選考が進みます。最終面接の時ですら、給料の話は全く出てきません。交渉もできません(笑)。モヤモヤします。

公務員への転職では、民間への転職やヘッドハンティングの場合と異なり、事前に給与の提示や交渉はありません。そもそも、交渉してアップを勝ち取るものではなく、給与規程に従って、たんたんと算出されるだけです。

募集要項には「民間での勤続年数8年・30歳」や「18年・40歳」などの給与モデルが記載されますので、採用試験の段階では、これを参考にするしかありません。

一般的には、22歳で大学を卒業して民間企業に就職しますので、30歳なら勤続年数は8年になります。つまり、「一般的な人生を歩んできた人の30歳のモデル給料はこのくらいですよ」という程度のものです。

「35歳だったらいくらなんだ?」という当然の疑問もわいてきますが、その中間くらいということしか分かりません。正確な金額は、採用の発令の際に知らされます。

また、毎月の給料のモデルのほかに、ボーナスはいくらもらえるのか、残業代はどのくらい出るのかなど、疑問だらけです。しかし、何も提示されないのです。

現実的な問題として、家庭を持っておられる方は、転職条件を妻や家族に説明する必要があり、年収や給料も説明しないといけないでしょう。そのため、合格後は、人事委員会など、しかるべき問い合わせ先に質問すると、試算をして教えてくれます。

人事委員会も合格者を逃したくないため、特段嫌がられることはなく、丁寧に対応してくれます。

それでもはっきりするのは固定的な給料月額だけですので、実際の手取り額や年収は先輩職員に教えてもらうしかありません。はじめにも書きましたとおり、私の年収は、30歳で540万円でした。こういう事例を参考にするしかないのです。

参考記事

30歳や40歳で公務員に転職した場合、年収は下ります。
・ 公務員の給料と年収

しかし、選考段階の候補者には対応は冷たいです。

受験者が多すぎますので、いちいち試算はできないのです。「募集要領のモデル賃金を見てください」としか言ってくれません。当然ながら、金額交渉には応じてくれません。

社会人採用の初任給は職歴加算して算出される

会社員人生も人それぞれです。大学院まで卒業した人や転職を繰り返してきた人もいるでしょう。初任給の具体的な算出方法をご説明します。

あくまで経験者採用ですので、20万円そこそこの大卒の初任給と同額からスタートするわけではありません。前職歴が評価されて、勤続年数に換算されます。

その評価の仕方ですが、前職でどういう輝かしい業績を残したかや、大企業で海外勤務をしてバリバリ利益を上げていたかなどは全く加味されません。

初任給の計算方法は、社会人としての勤務経験が加算されて算出されます。職歴加算(前歴加算)として勤務の年数だけから算出されるのです。

大企業のエリートでも、中小企業や自営業でも、勤務年数が同じなら職歴加算された初任給は同じです。面接で評価するのは、あくまで採用試験の合否だけなのです。上位で通過したからといって、初任給が高くなることはありません。

年数の計算方法は市町村ごとに異なりますが、一般的には、民間会社での勤務経験年数を少し割り引いて公務員の勤続年数として反映します。

私の市役所では職歴加算の割合は8掛けです。

つまり、前歴の社会人経験が10年間なら、10年×80%=8年という計算で、市役所で8年間勤務した人と同じ給与にランク付けされます。

転職うさぎ
民間の経験の方が公務員より下って見てるのかよっ
面接官かめ
そうなんです
民間経験者を実施してる割には、謎の制度ですよね

私の場合、30歳で転職したのですが、残業代などを含まない固定給で26万円ほどでした。残業は毎月30時間していましたので、手取りは常に30万円を超えていました。残業はしっかりと申請できました。嬉しいですね。

給与の水準は同年齢の市役所職員よりも安い

結論から言いますと、この方法では、大卒でストレートで採用された上級職の同年齢と比較して、給料で毎月2万円くらい安くなります。

地域手当や家族手当など各種手当への跳ね返りも含めて考えて、また、期末手当(いわゆる賞与、ボーナス)が年間4.5箇月分程度と計算すると、年収で30~40万円は安くなっています。

別ページで詳しく解説していますが、公務員の昇給制度は完全に年功序列です。高い成果を上げたからといって、昇給幅は増えません。

初任給の時点で、上級職よりも安い給料ですので、その差は一生埋まりません。頑張っても給料が逆転することはないのです。

転職うさぎ
案の定、上級職より安い給料なのか・・・
面接官かめ
公務員は年功序列が基本です
我慢してください

私個人の考えでは、お金に全く執着がありませんので、特段、気にしていません。

参考記事

公務員は仕事をしても、しなくても、年功序列で毎年昇給します。
・ 中途採用の昇給

あくまで、この比較は大卒でストレートで入庁した人との比較です。2年間の公務員浪人をして入庁した上級職と比べると、同じくらいの水準です。それ以上、つまり、3年の浪人をした人とでしたら、逆転して上回っています。

大手民間会社の採用でしたら新卒採用ばかりですが、公務員では、新卒採用でも公務員浪人をする方が結構います。個人的には、新卒でなくても採用してもらえるのかと驚いたものです。それが公務員試験なのです。

民間で働いてみたけれど、数年で辞職していまい、公務員の上級職で就職し直す人も多いですので、4割くらいは紆余曲折してから採用されているようです。

こう考えますと、この初任給の水準は許容範囲なのかなあと、個人的には思っています。とにもかくにも、まずは募集要項を隅々までよく読むことが大切だと思います。

そして、詳しく知りたい場合は、何はともあれ採用試験に合格してから具体的な質問をすることです。一般的な大手企業と比べて公務員の給与水準は低いですが、普通に生活できますので悲観する必要はありません。



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