プレゼンテーマの通知は郵送される
社会人の公務員試験では、京都市を筆頭に、プレゼンテーション試験を1次面接で課す市役所が多くあります。プレゼン面接とは、与えられた時間でプレゼン発表をして、その後に質疑に答える形式の面接です。私も受験したことがあります。
発表テーマは、筆記試験の合格発表の直後に郵送で届きました。事前には公表されていませんので、そこからプレゼン面接の日までの2週間くらいの間で準備しました。
持ち時間と合わせて通知されます
テーマを通知する郵便物は、配達記録郵便で私の手元に届きました。私は昼間は仕事で家を不在にしていますので、しばらく放置した後、1週間後くらいに郵便局まで受け取りに行きました。
この結果、通常2週間あるはずの準備期間のうち1週間が経過しており、残りの1週間で準備する羽目になりました(笑)。
準備の時間が少なくて厳しかったので、もっと早く取りに行った方がよかったと、後々後悔しました。仕事をしながら1週間でプレゼンを形にするのはなかなか大変でした。
このときの発表テーマは「今までの職務経験を具体的に説明し、それを市役所の市政にどのように活かせるか」でした。
発表時間は3分間で、ホワイトボードを使用可です。要するに何でもよいので、職務経験を話してください、という意味のテーマなのだと思います。
どんな難しいことをさせるのだろうか、私にできるのだろうかと若干心配していましたが、誰でも実力さえあれば力を発揮できるテーマ選定でした。
プレゼン面接の準備の仕方
通常、仕事でプレゼンテーションする場合、持ち時間の20倍くらいの準備時間が必要だと思います。その割合で考えますと、準備時間は60分ということですが、もっと入念に時間を掛けて、準備しました。
そもそも3分間というのが極端に短すぎますので、この20倍の法則は当てはまりません(笑)。
プレゼン内容の骨子の作成方法ですが、既に、筆記試験の職務経験論文を書いていますので、それをベースにして、3分間という時間に合わせて組み立て直しました。
およそ2時間~3時間くらい掛けて、プレゼン内容を精査し、論文試験の内容を再構成しました。
私の場合は、会社の遊休地の売却の仕事について、従業員への説明、会社役員への説得、地元住民への説明会で苦労した点、心がけた点などを話して、住民参加の自治に向けて、住民と話し合いを重ねて、市役所の政策の具体化を進めていきたい旨をプレゼンテーションしました。
ホワイトボードも簡単に使いました。「使用してもよい」という条件でしたので、使わなくてもよいのですが、話一辺倒になると、思いが伝わりにくいだろうと思い使用しました。
当日、他の受験生に話を聞いてみたところ、概ね、皆さん使用していたようです。
使用することを許されているものをわざわざ排除して使わない方が問題です。ホワイトボードを有効活用する方法を考え出して面接試験に臨むべきです。
ホワイトボードに文字を書くのは思ったよりも時間を浪費してしまいます。コツとしましては、主に図や表を描くことです。言葉だけではなく視覚的に分かりやすく説明するようにしました。
持ち時間は3分間だけでしたので、ホワイトボードにびっしりと記載することはできません。視覚的に補完するためのメモ代わり程度という利用方法でした。
プレゼンテーションの練習方法
プレゼンする内容が固まった後は、3分間という短い時間設定でしたので、事前にしっかりと練習をしました。
ストップウォッチで時間を計って1人でリハーサルをすることが重要です。私の場合、その時の調子によって、2分半の場合もあり、4分になる場合もあり、所要時間の振れ幅が大きいことが分かりました。
身振り、手振りを交えて丁寧に説明すると、とたんに時間が掛かってしまいます。最終的には、発表する3分間はアドリブを禁止にして、身振りまで含めて練習しました。
1回の練習が3分前後で終わりますので、そんなに苦痛ではありませんでした。何回でも練習ができます。何回も練習することが大切なのです。
また、ホワイトボードに図や表を書く時間も結構掛かるので、実際にノートに書いて所要時間を計測しました。話をしながらホワイトボードに描くことになりますが、その練習も繰り返しました。
このように、プレゼンテーションの内容をまず固めた後は、技術的なプレゼン手法を重点的に練習する方がよいと思います。
公務員試験のプレゼン面接後の質疑応答
プレゼンテーション試験はプレゼンする3分間だけで終わるわけではありません。あくまで公務員試験ですので、質疑応答から一般的な面接へ進んでいきます。
プレゼン後の質疑応答では、まず、プレゼンに関する内容について質問を受けました。これについては、経験してきた業務を丁寧に回答しました。
プレゼンの内容に関しては、当然のことながら、面接官よりも自分の方が詳しいですので、回答すること自体は簡単です。受け答えの話し方や雰囲気をテストしていたのだと思います。
論理的に分かりやすい説明をすることができることも重要になります。
次に、プレゼン内容とは無関係なことを質問されました。志望動機やなぜこの市役所に転職したいのかなど、普通の社会人の面接試験で聞かれるようなことを不意に質問され、一瞬ぎょっとしました。正直に言いますと、あたふたしました。
私は、今回の面接はプレゼンテーション試験だけで、志望動機や自己PRは二次面接で問われると思っていましたが、間違いでした。
プレゼン面接と言えども、面接ですので、普通の質問も聞かれるということです。ここがかなり差が付くポイントだと思います。
普通の受験者はプレゼン内容の練習ばかりに気を取られてしまい、志望動機などの準備が整っていない場合が多いのです。しっかり準備していくことで、合格の可能性がグッとあがります。
コンピテンシー面接という手法を意識する
プレゼンが終わった後、「その仕事で苦労した経験はなんですか?」と聞かれると思います。定番の質問です。
これは、近年流行っているコンピテンシー面接の質問方法です。コンピテンシー面接とは、「将来、何をしたいのか」ではなく、「過去に、何をしたのか」を聞く手法です。
採用面接の手法として、当初はコンサル会社主導で、日本の企業に導入が進みました。
採用面接では、この質問に対してできるだけ具体的に話すように求めらられましたので、「遊休地の売却で、役員や従業員、労働組合などの関係者を説得で苦労した点」を具体的に時間を掛けて回答しました。
その後に、「それをどのようにして乗り越えましたか?」と、定番の次の質問がきました。コンピテンシー面接では、こういう風に聞いていくと決まっているのです。
このように、「過去にどのように難局を切り抜けてきたか」の具体的な経験を聞かれます。どのような思考パターンで、どのような点に注意をしながらこれまでの仕事を進めてきたのかがはっきりしますので、人物の評価がしやすいという手法です。
私は前職で人事部に所属していたおかげで、コンピテンシー面接というものを知っていましたので、スムーズに回答できました。
コツとしましては、質問で求めれらるように、できるだけ具体的に、詳細に回答することです。面接の場ですので、あまり謙遜すると損しますので、成果を挙げたのなら、その部分をキチンをアピールすればよいと思います。
意外と記憶が混乱している場合があります
このように、コンピテンシー面接の手法では、過去の行動を思い出しながら、具体的に説明することが求められます。時系列に沿った説明も求められます。事前に、時系列を追って簡潔に整理しておくと、的確な受け答えができ、好印象になると思います。
公務員試験で圧迫面接はもう古い
一昔前は、圧迫面接で、その人のストレス耐性を計ることも多々あったようですが、最近ではほとんどされていないようで、私もされませんでした。
いつも社内で上司からされているように、プレゼンテーションの後に面接官から厳しく突っ込まれるかなと思っていましたが、全くありませんでした。
圧迫面接とは、どんな答えをしても、強い口調でイチャモンをつけて、クレーム対応のスキルや心理的な強さを見る手法です。無理問答のようなものです(笑)。
質問に対する答えが具体的でなかったため、面接官に深く突っ込まれただけなのを、圧迫面接だと勘違いする人もいますが、別物です。
この場合、圧迫面接ではなく、あなたの回答が不十分だっただけです。リカバリーのチャンスを与えてくれているということですので、落ち着いてしっかり受け答えすればマイナス評価にはなりません。
面接手法としては、あまり意味のあるものではありません。最近では、市役所や会社の評判が落ちる原因になってしまいますので、一般的に用いない手法になってしまいました。特段、気にする必要はなく、対策は不要です。
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