名古屋市役所の初任給の支給モデル
名古屋市役所の民間経験者採用の初任給について、市役所発行の「採用試験案内」を基に解説します。大卒モデルで明記されているのは、次の3パターンです。
31歳(勤続 5年) 235,865円
41歳(勤続15年) 263,925円
51歳(勤続25年) 303,025円
これは基本給に地域手当を加えた合計額です。
地域手当とは、給与条例によりますと、基本給に一律15%加算される手当のことです。全員に加算されます。市内の物価の高さを反映した料率に設定されています。大きな意味ではこれを含んだ金額を基本給と考えていいものです。
31歳(勤続5年)のケースで説明しますと、基本給は205,100円、地域手当は30,765円で、合計が235,865円になるわけです。
地域手当の説明はこの程度にするとして、このモデルケースってちょっと特殊ですよね。31歳で勤続5年ですよ。短すぎませんか(笑)。
22歳で大学を卒業して、4年ぶらぶらと無職で過ごして、26歳で何とか就職、31歳で転職ですよ。そんな奴おらへんやろ~(笑)。
41歳のモデルケースでも、51歳のモデルケースでも常に4年の空白期間があるのです。名古屋市ではモラトリアムを推奨しているのでしょうか。
無職の期間がない31歳勤続9年を試算してみます。ていうか、この方が一般的なんじゃないだろうかと思ってしまいます(笑)。
この場合、初任給は247,093円です。公務員の給料は年功序列で上がっていきますので、勤続5年と10年の金額から算出しました。結構当たっている金額だと思います。
このようなよくあるケースもきちんと採用試験案内に明記した方がいいと思います。
このほかに支払われる給料がある
採用試験案内によりますと、名古屋市では、この金額に固定的給与として扶養手当、住居手当、通勤手当が加算されます。しかし、その金額については明記されていません。給与条例を見る必要があります。
まず、扶養手当についてです。
配偶者を扶養する場合、6,500円です。夫婦共働きの場合は、扶養していませんので支給されません。また、子供につきましては、1人に付き12,000円です。
扶養手当の水準としましては、結構高い方かと思います。
次に、住居手当についてです。
給与条例によりますと、賃貸物件に住んでいる人に家賃の上限27,000円として家賃の半額を支給するものです。これも住居手当の水準としては高い方です。
親元に同居している人や持ち家を購入した人には支給されません。残念。
その他、通勤手当については、実費支給型の手当ですので、電車やバスの定期券代がそのまま支給されます。
整理しますと、大卒31歳(勤続5年、扶養なし、賃貸住宅)の場合、給料は「26万円」になります。手取りでは「20~22万円」です。
同じく大卒31歳(勤続5年、妻と子1人を扶養、賃貸住宅)の場合、給料は「28万円」になります。手取りでは「22~23.5万円」です。
名古屋市役所の初任給モデルは、なぜか4年間の無職期間が含まれており、実際よりも少なめに算出されてしまっています。同じ年齢でも職務経験が長ければ給料は高くなります。
毎月固定的に支給されるものはこれで全てになります。このほかに変動的なものとして、時間外勤務手当が支給されます。いわゆる残業代です。
残業代は実績によって毎月変わります。忙しい部署でしたら手取りは増えますし、反対に暇な部署では少なくなります。
私は、自分の希望には反して激務な部署を渡り歩いてきましたので、常に高額な残業代をもらっていました。1時間当たり2,000円として、50時間残業しますと10万円です。これが給料にプラスオンされます。
公務員では職場を選ぶことはできません。忙しさは時の運です。時の運で残業代の多い・少ないも決まってしまいますので、あまりあてにしないことです。
ボーナスの支給水準
採用試験案内によりますと、期末・勤勉手当が支給されると明記されています。いわゆるボーナスです。しかしその月数や金額は謎のままです。どこにも記載されていません。
名古屋市区所も他都市と同じと考えて間違いありません。年2回の支給で、6月に2.2箇月、12月にも2.2箇月の合計4.4箇月と考えておけば、おおよそ正解です。
扶養手当も算定基礎に反映されますので、妻や子供など扶養者の有無でボーナスの金額が違ってきます。
31歳(勤続5年、扶養なし)では、6月・12月にボーナスとしてそれぞれ52万円ずつ支給されます。
31歳(勤続5年、妻と子1人を扶養)では、6月・12月にボーナスとしてそれぞれ56万円ずつ支給されます。
名古屋市役所の初任給のまとめ
名古屋市役所の初任給の特徴は住居手当の水準が高いことです。地域手当も高水準です。名古屋市の家賃相場や物価は世間のイメージよりも割安です。この初任給があれば十分やっていける水準だと思います。
大手企業から転職しようとしている場合、年間給料は下がることになると思います。私も転職前は年収500万円を超えていましたが、公務員に転職してからは500万円を下回り、以前の給与水準に追いつくのに数年掛かりました。
そういう金銭面の事情も考慮して転職するかどうかを検討するべきです。
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