面接官は全ての動きを見ている
市役所に転職・再就職を考えている人にとって最も重要なことは、如何にして自分の望む市役所に就職できるかということになると思います。
今回は、面接の場で、好印象を与える秘訣や陥りがちな失敗について秘訣としてお示ししたいと思います。
面接は対面で座って行います。テーブル越しの場合もあれば、大きな部屋の真ん中に一人ぽつんとパイプ椅子に座らされて、離れた場所のテーブルから面接担当者が面接する場合もあります。
面接がどのような状況で行われるにせよ、当然その市役所に面接で訪れていますので、受付段階から面接が始まっていると認識することが大切です。
大きな市役所ではそうでもありませんが、小さな市役所の場合は、行き交う人がその市役所の重要人物であったり、人事系の人間であったりする場合があるので、その点は注意しておくべきでしょう。
それに、服装や身なりは崩れておらず、ちゃんと着こなしていることに注意したいものです。
質問者の顔に8割、ほかの面接者に2割の意識がコツ
よく言われることですが、面接担当者が複数の場合に、どちらかから質問がなされますが、質問者の目を見て答えるようにということです。しかし、これは大方合っていますが、反面そればかりだと違和感が出てしまいます。
同じ場にいながら、質問者だけに10割の配分で答えるという仕草は、その他の質問者に部外者感を抱かせることになります。
一昔前には、質問者の質問に対してちゃんと目を見て答えているのか、ちゃんと理路整然と答えられているのかを客観的に判断するため、複数人で面接することになっていましたが、最近では訓練が行き届いているせいか、あまりこの点でマイナスポイントになる人はいなくなりました。
そこで、質問者には8割の比率で質問に答え、理解してほしいという仕草を質問者に投げかけたあと、2割の配分で同席者にも目配りすることが好印象を与えるポイントになります。
勘違いがあった場合の修正はキレイに
面接時にあまりにも準備しすぎているのか、面接担当者である質問者の質問を深読みしすぎて、不必要な回答までする人がいます。また、質問の主旨を間違えて答えてしまい、チンプンカンプンな話になって噛み合わなくなってしまうケースがたまにあります。
こうした場合、いち早く気付き、一旦数秒間を置いて、自身の勘違いや思い込みを説明し、キレイに詫びることが好感を持たれます。
間違った対応として多いのが、「笑ってごまかす」、「ただ謝るだけ」というものであり、質問者が改めて質問しなおすということになってしまいます。
笑顔を忘れずに
何でもそうですが、どんな人でもその人の笑顔は素敵なものです。活気、意識、やる気、楽しさ、居心地の良さ等を示す一つのバロメーターとして考えられます。
採用面接の時にも笑顔を忘れてはいけません。特に経験者採用ということであれば、社会人経験もあり、人間関係に熟れた人として見られるので、緊張のあまり怖い顔になるといった言い訳は通じなくなってきます。
ゲラゲラ笑うのではなく、口角を少し引き上げるという意識を持てば笑顔を保つことができます。
転職理由をオブラートに包むと失敗する
はじめて転職活動をするビジネスパーソンの方に見られる間違いがあります。それは、転職理由をオブラートに包みこんでしまうことです。
長年、人材コンサルタントとして若い人たちの転職のお手伝いをしていた方のお話しです。その方は、はじめて転職活動をする人とお話しをしていて違和感を覚えることがあったそうです。
それは、「今の仕事自体に不満はないのですが・・・。」「今の会社には満足しているのですが・・・。」というセリフを口にする人が多いことでした。
なぜ、現状に満足をしている人が転職を考えるのでしょうか。現在の仕事に満足しているのであれば今の仕事に没頭するはずです。
転職の動機を聞かれて上記のようなセリフを口にしてしまう背景には、転職のノウハウ本の中に、面接での注意点として、現在の職場のことを悪く言わず、現状の不満を口にしない、と記されているからかもしれません。
「不満」と「満たされないもの」は違う
確かに、現状の不満を口にしないということは、ある意味で正解です。会社の方針に不満を漏らす人は、どこの会社に入っても不満を口にするものです。人間関係に不満を訴える人は、新しい上司の元でも、しばらくすると同じような愚痴を言い始めます。
このような「不満を口にする人」は、自分では有能な社員だと思っているのですが、実は、自分が思っているほどは仕事のできない人です。だからこそ、上司や会社からの評価が本人の自己評価ほど高くないのです。
しかし、「心に満たされないものを持っている人」は、自分がどれほど頑張っても、会社の規模が小さいために一定のレベル以上の仕事には携われないとか、会社からは既存の扱いを守ることなどを求められるのですが、自分としては更にに大きな仕事にチャレンジしたいという希望を持っています。
人間は心の中に満たされないものがあるからこそ転職を考えるのです。日本語では同じ言葉に見えるかもしれませんが、「不満」と「満たされないもの」は違います。
心に満たされないものとは、今の環境では如何ともしがたいものです。だからこそ、更なる高いステージを目指すのです。
自分の思いを相手に伝えることが社会人の能力である
30歳前後の若い人たちの間には、「実力も無いのに偉そうなことを言うな。」と言われることをおそれているのかもしれませんが、心の中にある満たされない思いについては、臆することなく堂々と口にしていいのです。
堂々と思いを伝えることです
逆に黙っていては誰も救いの手を差し伸べてくれません。なぜなら、あなたの気持ちが分からない状態では助けようがないからです。
人間は誰でも、自分の思いを素直に口に出すときは目が輝き、前のめりになって、口調に熱を帯びてくるものです。そして、その熱は聞き手に伝わります。病気の熱は他人に伝染していきますが、人の心の中にある情熱も他人に伝わるものなのです。
人間は、心の中の満たされないものに向かって挑戦していくからこそ成長できるのです。
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