残業時間が100時間を越える部署がある
お気楽な市役所の中にも、激務な部署はあります。全体の10%くらいの職員にだけ仕事が偏っており、激務に激務を重ねているのです。
私の最長残業時間は月間180時間です。これが続くのです。市役所の中には、更に長い残業部署もあります。経理部門です。そこでは毎月200時間の残業が繰り返されています。
世の中では、過労死ラインは月間100時間です。2箇月連続の場合、月間80時間です。正直、これだけ残業を続けていますと、たった100時間で死ぬとはにわかに信じられなくなります。
市議会が年に4回開催されますので、その月は残業が100時間を越えます。慢性的に業務が加重なところに、余計な仕事がプラスオンされますので、残業地獄になります。
いつまでもホウレンソウをしている
公務員と民間企業の決定的な違いは、ホウレンソウです。報告・連絡・相談です。私が勤めていた会社では、入社1年目は「ホウレンソウをしっかりとするように」と指導されました。
これが、入社3年目になりますと、「ホウレンソウばっかりしていたらダメだよ」と指導されます。正直、民間企業で3年目でホウレンソウばっかりしていたらポンコツの部類です。
民間会社では、まず自分で分析して判断することが求められます。自分の責任で行動するのです。実際には、もし失敗したら上司が責任は取ってくれますが、基本的には、自らの判断と責任で行動します。
しかし、市役所ではホウレンソウが常に推奨されます。部長が課長に、「ホウレンソウをしっかりするように」と平気で指導しています。
係員の意思はあまり重要視されません。部長や課長が全ての情報を把握・管理するよう頑張るのです。
公務員の部長や課長は激務です。係員や係長よりも激務です。民間企業と異なり、出世するほど激務になるのです。
その原因がホウレンソウです。普通に考えると裁ききれないほどの情報が集まってきます。
膨大な報告会議を作成する苦行
その対を成す側面としまして、係員や係長は、報告資料を上司に提出するために多くの時間を費やします。私の課では毎週進捗管理の会議が開催されます。
会議のための資料を作成している間は、実務の業務を進めることができません。正に会議のために仕事をしているような感じです。
課内の会議も毎週ありますし、部長会や幹部会も毎週開催されます。その都度、同じ案件の資料を微妙にマイナーチェンジして報告します。
会議の後には議事録の作成があります。これが時間が掛かるのです。1時間分の会議の議事録を作ろうとしたら、5時間は掛かります。私は議事録名人ですので早いのですが、素人ならもっと手間が掛かります。
その議事録、誰か活用しているの?っていつも思います。
働き方改革は完全に形骸化している
基本的に、市役所では民間で取り入れている手法は導入します。市議会の先生向けに「やってますよ」というアピールが必要なのです。
当然ながら定時退庁日を設定しています。役所らしく、毎週水曜日です。定時を過ぎると、早く帰るよう放送も流れます。
これが完全に形骸化しています。誰も帰りませんし、意識すらされていません。しかも、水曜日に残業をした場合、書類を作成しなくれはなりません。
定時退庁できなかった理由と、定時退庁日の振替設定です。忙しい中、これを記入して、翌日の木曜日を振替日にします。
激務ですので、当然のように木曜日も定時に退庁できません。そしてこれ以上は後追いされません(笑)。
また、市役所は報告会議が多いのですが、最近では「改めて資料を作成する必要はなく、既存の資料を使うこと」と指示されます。
似たような会議が多いですので、色々なバージョンの既存の資料があるのです。お題目のようにそう支持はされますが、会議の出席者や趣旨が微妙に異なりますので、資料を使いまわしすることは難しく、かえって混乱の原因になっています。
そもそも、既存の資料があるような案件に対して、メンバーを変えて再度会議を開くことを止めたらいいのにと思います。それが「改革」だと思います。改革という耳障りのよい言葉を使いながら、中身はただの「微修正」なのです。
一部の民間企業で導入されている朝方勤務も最近導入されました。1時間早く出勤してきて、その分早く帰るというものです。
しかし、これが職場内で全員ではなく希望制で、しかも曜日によって適用されたり、されなかったりですので、他部署の職員から見たら、誰が残業無しで1時間早く帰る職員かよく分からないのです。
結果、色々な問合せや相談ごとが途切れずに、せっかく1時間早く出勤したのに、早く帰れない、つまり、ズルズル定時まで勤務することになります。その分は残業扱いにはなりません。
謎ルールですが、朝方勤務の時には残業をしないというルールで、つまり実際に残業をしていても申告しないという運用をしています。
これで残業が減る結果となりますが、逆にサービス残業が増えていくという悪循環です。経営者側から見れば好循環もしれませんが(笑)。
公務員に36協定は適用されない
市役所には労働基準法は適用されません。時間外労働の根本である36協定が適用されないのです。それどころか、労働基準監督署が監督官庁ですらないのです。
民間の企業でしたら、ブラック労働に耐えかねた従業員が監督署に訴え出ることができます。
監督署が助けてくれるかというと、それは別問題で、普通に訴え出ても監督署は全く力になってくれませんが、とにかく、監督官庁の存在はあります。定期的に、監督署による査察も実際にあります。
しかし、市役所にはそれがないのです。正に働かせ放題の環境なのです。ただ、激務の環境に置かれているのが、市役所で有数の社畜認定された一部職員だけですので、問題になっていないだけです。
社畜認定されてしまうかどうかで人生設計が大きく狂ってしまいますので、大きな注意が必要です。特に、頼まれたら断れない気弱な良い人系な方は要注意です。
本庁にも残業なしや普通の部署もある
ここまで言っておいて何なのですが、激務の部署は本庁の中でも一部だけですので、安心してください。一般的には残業時間は月間20時間~30時間で収まります。
市役所には楽な部署と普通の部署が多くあります。楽をしている職員が多い分、一部の職員が激務をこなして帳尻合わせをしているのです。決して市役所全体の仕事が少ないのではありません。
シェアする