市役所は部署によって忙しさに大差がある
公務員の忙しさは、部署によって激しく差があります。激務の部署が10%、普通の部署が40%、楽な部署が50%の割合で存在します。10%の激務の部署で市役所の仕事の50%くらいはさばいているイメージです。
私は激務の課で、月間180時間の残業をした経験があります。総務系の課です。ブラック企業も顔負けのブラック労働です。過労死の基準を2倍超えています。
その課では私だけが忙しかったわけではなく、ほぼ全員がブラック労働をしていました。そういうことに耐えられて、しかも文句を言わない都合のよい人材だけを集めてきているのです。
一方で、他の部署の職員は、おしゃべりをしたりスマホをいじりながら適度に仕事をして、夕方5時前にはパソコンをシャットダウンしておいて、退庁のチャイムと同時に帰っていくという生活をしていました。
激務の部署に配属される場合
民間企業からの転職組は、最初に楽な部署に配属されることはあり得ません。激務の部署か普通の部署に配属されます。
高学歴の人や一流企業出身の人が激務の部署に配属されることが多いです。東大・京大や早稲田・慶応クラスが要注意です。最初に激務の部署に放り込まれたら結構大変です。
公務員一筋でやってきた多くの職員は、民間=バリバリ頑張る、かつ、民間=ブラック企業、と誤解しています。
とりあえず、民間経験者を忙しい部署に放り込んでおけば、バリバリやって、民間スピリットを注入してくれると思っているのです。少なくとも人事部の人は確実にそう思っています。
激務の部署では、普通に毎月100時間は残業することも多いです。私も、1年目は超多忙でした。
そういう部署には、市役所内の選りすぐりの社畜を寄せ集められています。感覚が麻痺して文句も言わないような職員達です。
そこらへんの民間企業でも、常時100時間の残業をしている会社はなかなかありません。それこそ、有名なブラック企業だけです。
しかし、公務員一筋の方々は民間企業の事情を知りません。本気で「民間企業=ブラック企業」という方程式が頭にできあがってしまっている人も多くいます。
自分達がブラック企業を超える過重労働をし続けているにもかかわらず、「民間はこんなもんじゃない」とか、「民間に比べたら楽な方だ」などと言って耐えています。
根底にそういう誤解がありますので、働き方改革が一向に進まず、激務を激務だとは認識できずに、ズルズルと放置されているのです。
そういう部署の一員になってしまいますと、心身ともにかなり疲弊してしまいます。自分だけ手を抜いたり定時で帰ったりすると、明らかに目立ちます。
そもそも業務の割当量が尋常な量ではないので、定時で帰るのは仕事放棄と同義なのです。努力やセンスでどうにかなる業務量ではありません。
激務の部署に配属されてしまった転職組の人はしばらく耐えるしかありません。
激務な部署は出世コースではある
将来出世したい人は激務な部署で頑張るべきです。公務員にも出世願望が強い人が結構います。出世できるかどうかは、激務な部署でどれだけ頑張ったか次第です。
長時間残業を繰り返して市役所を支えてきた職員が、将来出世していきます。あまりの長時間残業で心身ともに壊れて病気になってしまう人も散見されますが、これを乗り越えた職員が出世できるのです。
出世しても給料はあまり変わりません。しかし、出世が好きな人は出世こそが最大の報酬なのです。
普通の部署に配属される場合
地方の国立大学やマーチ・関関同立などの人は普通の部署に配属される可能性が高いです。普通の部署というのは、勤務時間中に民間会社並に仕事があって、残業は月間20時間くらい部署のことです。
だいたい、一般的な会社と同じくらいの勤務状況かなと思います。個人的には、これで満足すればいいと思うのですが、公務員に転職しようという人の中には、徹底的に楽をしたおそうと目論んでいる人もいます。
公務員の給料は、事業に大きく貢献しても、全く貢献しなくても変わりません。同期と横並びです。私と同期の給料も変わりません。残業代だけは私の方が多いですが。
これを何年続けても、全く同じペースで昇給していくのです。民間の会社なら、給料にガンガン差が付いて、同期の出世頭だの何だのの話になります。
しかし、やっても、やらなくても、給料は何も変わらないのです。なぜなら公務員だから(笑)。
公務員は人員配置の人数を変えられない
そもそも、なぜ、激務な部署と楽な部署があるのでしょうか。仕事量が多いなら職員数を増やして、その分、楽な部署の人数を減らせばいいはずです。
民間企業に長く勤めていた感覚ではそう感じます。いや、普通の一般人の感覚でも同じはずです。
楽な課で働いている公務員の既得権益に対する執念はすごいです。これが、不公平が改善されない原因です。
公務員にも労働組合があります。正確には労働組合ではありません。職員団体というものですが、労働組合を名乗っています。
組合の主張はこうです。「そもそも、楽な部署など存在しない。適正に仕事をしているだけ。激務な部署があるなら、職員数を増やせばいい。全体の職員数を増員すればいい。」
職員数は条例で決まっているので、職員のトータルの数は増やせません。組合もそれを知っているのですが、あえて無理を言うのが組合です。それが組合が組合たるゆえんです(笑)。
これほど、暇で楽をしている部署があるのに、職員数を減らして、忙しい部署に持っていくことができないのです。
激務の課に回される職員は、そもそもお人好しの人が多いのです。犠牲を受け入れているのです。
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